1995年(平成7年)、米マイクロソフトが発売したOS「Windows 95」は世界中で売れ、インターネット時代の幕開けを告げる出来事となった。企業情報システムのオープン化にもつながった。
1月17日、兵庫県を中心とした近畿圏を最大震度7の阪神・淡路大震災が襲った。地震による傷がいえない3月には地下鉄サリン事件が発生。6月には全日空機がハイジャックされた。8月に発電を開始した高速増殖炉「もんじゅ」は12月にナトリウム漏洩事故を起こした。
社会不安が日本を覆う1年だったが、ITの世界に目を向けるとインターネット時代の幕開けの象徴となる出来事があった。11月23日木曜日午前0時、米マイクロソフトのOS「Windows 95(以下、Win95)」日本語版の国内販売が始まったのだ。
「深夜なのに店じゅうに人があふれていた。そんな光景は見たことがなかった」。同日深夜に秋葉原でWin95を買い求めた男性はこう振り返る。11月23日の日本経済新聞朝刊によれば、秋葉原の家電量販店「ラオックス・ザ・コンピューター館」の前に100メートル以上の列ができ、マイクロソフト日本法人(現日本マイクロソフト)やPCメーカーの社長が駆けつけ、0時を合図にくす玉を割ったという。「Win95」フィーバーは大阪や名古屋、福岡、札幌など日本中に広がった。
UI改善、ネットを身近に
Win95の出荷が米国で始まったのは8月24日。予定より1年遅れていた。「今後、Win95を抜きにして企業情報システムを語ることは難しくなる」と当時の日経コンピュータは書いている。全世界で7000万本、日本国内で約400万本を出荷した「Windows 3.1」の後継OSであるほか、多くのメーカーのPCにプレインストールされるというのが理由だ。