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 3月14日は午後3時以降も義援金の振り込みが大量に押し寄せていた。午後3時以降に受け付けた振り込み依頼は翌日扱いになり、夜間に一括して準備処理する。この処理が午後10時7分に異常終了した。義援金口座について、振り込みデータの処理件数が上限値を超えたからだ。これは昼間の取引明細の上限値とは別のものだ。

 原因を突き止めたシステム担当者は上限値の設定値を増やしたが、またも異常終了してしまう。その前の異常終了により、一部の振り込みデータが欠けていたのが理由だった。

 欠落したデータを元に戻すには時間がかかる。データの復元に8時間を要した。これが新たな問題を引き起こす。夜間の一括処理が終わらず、翌日のオンライン処理に影響を及ぼしたのだ。みずほ銀行は旧第一勧業銀行の勘定系システム「STEPS」を使い続けており、一括処理の形態が残っていた。

ATMが全面停止

 「なんとか午前9時に間に合ってくれ」。システム担当者の頑張りもむなしく、悪夢は現実になった。3月15日午前9時に店舗を開けたものの、融資や振り込みといった一部のサービスを始められなかった。

 トラブルはこれで終わらない。15日に送信するはずの振り込み31万件全てを送信できない事態に陥った。夜間の一括処理による送信準備を完了しないと、翌日の全ての振り込みが送信できない仕組みになっていた。

 みずほ銀行の対応は後手後手に回り、ついにATM(現金自動預け払い機)の全面停止に追い込まれる。その後もトラブルがトラブルを引き起こす悪循環を断ち切れなかった。

 システムが正常化し、振り込み処理の積み残しを完全に解消できたのは3月24日のことだ。トラブル発生から10日が経っていた。この間、入金が遅れた他行宛ての振り込みは計120万件、他行からの振り込みは101万件に達した。当時の西堀利頭取が引責辞任に追い込まれる事態に発展した。

東日本大震災で甚大な被害が発生
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図 2011年の主な動き
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