2014年の米国事業開始以来、倍々ゲームで現地売り上げを伸ばしている日本の中小企業がある。京都府宇治市に本社を置くアルミ切削加工専業メーカー、HILLTOPだ。大手ITベンダーや米国航空宇宙局(NASA)などから、さばき切れないほどの注文が舞い込んでいるという。その成功の要因はどこにあるのか。本稿はHILLTOPの米国法人HILLTOP Technology Laboratory社社長の山本勇輝氏に、その秘密を聞くシリーズ最終回。今回は、加工業者を脱皮してものづくりのプラットフォーマーになるという壮大な夢に迫った。(聞き手はリンカーズ専務取締役、Linkers International Corporation取締役社長の桑島浩彰氏)★これまでの記事はこちら 第1回 第2回 第3回

HILLTOPさんもCADデータは結局、日本に流れちゃいますよね?そこはナショナルセキュリティーとして大丈夫なのですか?

HILLTOPの山本勇輝氏
HILLTOPの山本勇輝氏

山本氏:必ずユーザー様に確認を取っています。NASAのものは米国内でやっています。ITAR(米国輸出規定)などの規定があるものは米国内で作るし、プログラミングができる人間は必ずグリーンカード以上とか、そういう規定があるものはきちんと従っています。

今は結構口コミで広がって仕事が来るようになったと思いますが、最初の時はどうやって仕事をとられたのですか。

山本氏:弊社の場合は、もう完全に展示会のみです。今もそうで、個別に営業かけることはないです。やろうと思っても、人がいなくてできないというのが実情です。

 展示会に1回出せば、新規の20~30社から問い合わせがきて、そこからどんどん決まっていって、のちにリピーターになります。弊社は月1回、今はカリフォルニア州内だけに絞って開催しています。最初はもっと広げていたのですけど、州内だけでも全然手に負えない状態が続いています。

今後のやり方としては、例えばアトランタ支店とか、ニューヨーク支店とか、そういうのも作っていくイメージですか?

山本氏:そうですね、2018年にはダラスにオフィスを出す予定です。

今はアルミの製作オンリーですよね。例えば樹脂加工とか鉄の加工とか、多分同じような試作をやってくれという話があると思うのですが、そこはどうされますか?

山本氏:弊社の場合、1点ものばかりのパッケージで頂くことが多いです。そうすると、どうしてもアルミだけという訳にはいかなくて、プレスや素材違いもあったりしますので、それらは全てアウトソースしています。ほとんどが許可を取った上で日本のパートナーに投げています。日本に出すのが無理な場合は、現地の加工屋になんとかお願いしています。そうなるとリードタイムが落ちるので、その場合は、ユーザーに納得して頂いています。