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対策品で30℃分を抑制

 人間工学の国際規格であるISO 13732-1:2006によれば、乳幼児は、危険回避の反応が比較的遅い。熱い物に触れてから離すまでに15秒かかることもある。15秒間触った素材がガラスなら、約64℃以上の場合にやけどに至る恐れがある。子どもは大人よりも皮膚が薄く、重症のやけどにも陥りやすい。

 同センターでは報告事案のうち、子どもが誤って触った例が多いグリル扉について、使用中・使用後の温度を把握する加熱テストを行った。

 対象製品は、以下の4つだ。(1)ガスバーナーを熱源とする据え置き型片面焼きタイプのグリル、(2)同ビルトイン型両面焼きタイプのグリル、(3)シーズヒーターを熱源とするIH・ビルトイン型両面焼きタイプのグリル、(4)(3)のグリル扉を高温抑制扉に取り替えたもの。扉のガラスには、(1)~(3)が単層ガラス、(4)が複層ガラスを採用している〔写真2〕。

〔写真2〕高温になるのを防ぐ
〔写真2〕高温になるのを防ぐ
やけどを防ぐためにグリル扉部の断熱性を高めた製品。破線で囲んだ部分が複層ガラスになっている(写真:国民生活センター)
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 鮭を3枚焼く実験を実施したところ、(1)と(2)ではグリル扉の窓中心部の表面温度が約150℃まで上昇〔図2〕。(3)は84℃に抑えられたものの、この温度は大人でも触れば1秒以下でやけどする恐れがある。(4)の場合、(3)の場合よりもさらに30℃分の温度上昇を抑えられ、最高温度は51℃に収まった。大人なら約1分間触ってもやけどしない温度だ。

〔図2〕調理中のグリル扉は約150℃に達する場合も
〔片面焼きタイプの据え置き型ガスグリル、本文中の(1)〕
〔片面焼きタイプの据え置き型ガスグリル、本文中の(1)〕
鮭3枚を焼いた場合のグリル周辺の温度変化を調べた。据え置き型のガスグリル(片面焼きタイプ)の場合。グリル扉の窓の中心部における表面の最高温度は144℃に達した(資料:国民生活センター)
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最高温度時の熱分布画像(資料:国民生活センター)
最高温度時の熱分布画像(資料:国民生活センター)
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〔両面焼きタイプのIH・ビルトイン型シーズヒーターグリル、本文中の(4)〕
〔両面焼きタイプのIH・ビルトイン型シーズヒーターグリル、本文中の(4)〕
鮭3枚を焼いた場合のグリル周辺の温度変化を調べた。IH・ビルトイン型のシーズヒーターグリル(両面焼きタイプ、高温抑制扉付き)の状況。グリル扉の窓が複層ガラスなので、最高温度は51℃に抑えられた(資料:国民生活センター)
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最高温度時の熱分布画像(資料:国民生活センター)
最高温度時の熱分布画像(資料:国民生活センター)
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 このほか、乳幼児が触れるとやけどの可能性が高い64℃を超えたのは、火を消した後も含めて(1)と(2)で約20分間、(3)で12分間だった。