2018年3月中旬、都内のソフトバンク本社25階で、日本一に輝いた野球チームのトップ陣が手を組み「もう一度頂点を獲る」と意気込んだ。
福岡ソフトバンクホークスのオーナーを務めるソフトバンクグループの孫正義会長兼社長と同チームの工藤公康監督である。ホークスは2017年のパ・リーグ(パシフィック・リーグ)で2位の埼玉西武ライオンズに13.5ゲームの差をつけて優勝。日本シリーズでは横浜DeNAベイスターズを破り日本一に輝いた。2018年のシーズンも日本一を目指し、スローガン「もう1頂(いっちょ)!」を掲げている。
孫オーナーは「長いシーズン中は波乱万丈あるだろうが、監督や選手などチーム一丸となって必ずまた日本一を獲る。監督の胴上げとビールかけを心待ちにしている」と話した。工藤監督は「絶対に日本一を獲る。頂点を目指して頑張ります」と応じた。
優勝以外には興味がないといわんばかりの意気込みだ。それもそのはず、ここ10年間にホークスが残した成績はめざましい。2008~2017年のうち優勝回数は5回。2年に1回の頻度で優勝しているのだ。
圧倒的な成績を支えるのは、ペナントレースを勝ち抜くための戦略、監督を中心とした試合での采配、選手陣の絶え間ない努力など、挙げればきりがないだろう。加えて特に力を入れているのが、最新のITを使ったデータ分析の体制整備である。同社は最新設備やシステムの拡充を続けている。経験やノウハウに頼っていた野球のデジタル化を進め、さらに進化させようとしているのだ。