
2020年夏――。「世界一の安心・安全」を標榜してきたニッポンに、セキュリティの脅威が迫る。開催期間中には、世界で30億人以上がテレビで視聴し、500万人以上もの観戦客が訪れるとされる東京五輪。「世界最大の平和の祭典」は、テロリストなど悪事を企てる者にとっては格好の標的になる。サイバー攻撃は「なければ奇跡」と言われるほど発生が確実視され、爆弾などを使った物理的なテロ攻撃のリスクは、昨今では民間人が多数集まる「ソフトターゲット」を中心に高まっている。実際、2013年の米ボストンマラソン、2015年の仏パリのサッカー場を含む広域のテロ攻撃は記憶に新しい。
東京五輪の会場は、東京ベイエリアのみならず、武蔵野、横浜、伊豆、宮城、札幌など広域にまたがり、テロ対策の難易度は、直近の五輪に比較して高いとされる。しかも、警備の世界にも人口減による「人手不足」の荒波が押し寄せている。
この二重苦に強い味方となるのが、画像解析やAI(人工知能)、ロボット、ドローン、対テロ建築といった先端テクノロジーだ。空や海も含めた3次元で対象を監視し、人の目の“死角”をつぶす。「テクノロジーを活用した安心・安全な社会」は、2020年東京五輪が残す大きなレガシー(資産)の一つとなる。
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