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 人混みや重要施設に突っ込んでくる暴走車を、その手前で食い止めて走行不能にしてしまう――。暴走車両によるテロや事故を防ぐ性能を持つ鋼製のライジングボラードを製造するメーカーが日本に存在する。神奈川県小田原市に拠点を置くコ―エイ工業だ。

 同社の「ハードポストEP-354A(K12)」は、総重量6.8tの中型トラックが時速80kmで突っ込んできても、車止めから1m以上の進入を許さず、重要施設に近づけない。米国国務省の対車両防護規格K-12等級に相当する性能を持つ製品は、既に、同省本部や中部国際空港など、国内外の重要施設で採用実績を持つ。

2004年に実施した衝突試験の様子。米国国務省の対車両防護規格K-12等級の性能を持つか否かを確認した。土砂が入ったドラム缶7本を積んだ中型トラックが、時速80kmで衝突しても、4本の車止めで1m以上進入させなかった(撮影:コーエイ工業)
中部国際空港の滑走路手前に「ハードポスト」を設置している。滑走路への暴走車両の侵入を防ぐ重要設備だ(撮影:コーエイ工業)
中部国際空港の滑走路手前に「ハードポスト」を設置している。滑走路への暴走車両の侵入を防ぐ重要設備だ(撮影:コーエイ工業)
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設置場所数量(本)
中部国際空港(愛知県常滑市)10
小田原市水道局(神奈川県小田原市)4
サウジアラビア大使館(東京都港区)2
アイランドエナジー(米国・ハワイ)8
米国警備機関(米国・ニューヨーク)16
データセンター(川崎市)21
ロッキードマーティン(米国・メリーランド)24
ニューヨーク市運輸局(米国・ニューヨーク)19
米国国務省本部12
米国某政府機関2
在オランダ米国大使館(オランダ・ハーグ)16
工場(愛知県)3
発電所(北海道)12
国内外の主な導入先。政府機関、空港、大使館、データセンターなど重要施設で採用されている。海外の施設ほど設置本数が多い傾向にある(出所:取材を基に日経 xTECHが作成)