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安全で快適な避難生活

 シェルターの床下には、2週間分の避難生活に必要な備品を収納できる。七呂建設は、水や保存食、ラジオといった防災グッズに加えて、放射性物質や化学物質から身を守るイスラエル製のガスマスクと防護服も標準装備して販売している。オプションで、シェルター床下にタンクを配置し、室内に便器を設置してつなぐことも可能だ。しかし、七呂建設は衛生上の観点から、使用するたびに凝固剤で処理できる市販の災害⽤トイレを設置している。

 地下に設置するシェルターには、居室の真上にハッチがあるタイプのほかに、出入り口と居室の間に扉があるタイプがある。海外で販売しているシェルターの大きさは、幅2.43m、奥行き3.04~9.14mだ。日本の住宅のような狭小地に対応できるよう幅2.13m、奥行き3.04~6.09mのタイプも用意している。小さい分、輸送コストが下がる点もメリットとなる。

 ベッド3台を設置できる幅2.43m、奥行3.04mのシェルター「ボムネード」を自宅敷地内に設置する場合、工事費を含めて約1500万円が必要だ。ベッド3台を設置できるタイプ(幅2.43m、奥行3.04m)の本体価格は約657万円、ベッド7台が設置できるタイプ(幅2.43m奥行6.09m)の本体価格は約1160万円だ。

日本に輸入できるアトラス・サバイバル・シェルター社製の地下シェルター「ボムネード」。外壁は厚さ5mmの鋼鉄製で、ハッチは内側からは耐荷重8tのジャッキで持ち上げる。がれきなどで埋まっても開けられるようしている(出所:七呂建設)
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日本に輸入できるアトラス・サバイバル・シェルター社製の地下シェルター「ボムネード」。外壁は厚さ5mmの鋼鉄製で、ハッチは内側からは耐荷重8tのジャッキで持ち上げる。がれきなどで埋まっても開けられるようしている(出所:七呂建設)
「ボムネード」のフロアレイアウト。ベッドとソファが設置されている。タンク付きの簡易トイレをオプションで設置することもできる(出所:七呂建設)
「ボムネード」のフロアレイアウト。ベッドとソファが設置されている。タンク付きの簡易トイレをオプションで設置することもできる(出所:七呂建設)
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七呂建設のショールームに設置した核シェルター内部の様子。背もたれのあるカウチでくつろげる(撮影:七呂建設)
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七呂建設のショールームに設置した核シェルター内部の様子。背もたれのあるカウチでくつろげる(撮影:七呂建設)

 ボムネードの高さは4.3mに達するので、設置には深さ5mほどの掘削が要る。加えて、地下水位が高いと施工できないため、地盤調査など事前の確認が必要だ。床面積が10m2を超えると確認申請が要る点にも注意が必要だ。

 地下に埋設するシェルターのほかに、屋内に置くタイプもある。地下シェルターほど強度は期待できないものの、はしごや階段の昇降が不要なので避難しやすい。マンション暮らしなどで自宅に地下シェルターを設けられない場合には、こうした室内設置タイプを選ぶか、気密処理をした部屋に空気ろ過システムを設置すれば、放射性物質などから身を守ることができる。

地下シェルターを設置する様子。七呂建設のモデルルームに設置した。シェルターでの宿泊体験も可能だ(撮影:七呂建設)
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地下シェルターを設置する様子。七呂建設のモデルルームに設置した。シェルターでの宿泊体験も可能だ(撮影:七呂建設)
写真は、幅2.43m、奥行3.04m、高さ4.3mの製品で、重量は約1.5t(撮影:七呂建設)
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写真は、幅2.43m、奥行3.04m、高さ4.3mの製品で、重量は約1.5t(撮影:七呂建設)
土留めした後に、基礎を構築してシェルターを設置する(撮影:七呂建設)
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土留めした後に、基礎を構築してシェルターを設置する(撮影:七呂建設)
地下シェルターを設置して埋め戻した後、出入り口を保護するために、シェルターの上にカーポートを設置した(撮影:七呂建設)
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地下シェルターを設置して埋め戻した後、出入り口を保護するために、シェルターの上にカーポートを設置した(撮影:七呂建設)