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 人間の仕事が人工知能(AI)に置き換えられていくと、企業は「AI社員(AIシステム)」を抱えることになる。そこで、我々の同僚、AI社員とはどのような社員なのかを考えてみた。

 AI社員は、スーパー知力を持つ。大量の一般知識と専門的知識を備え、それらに基づき、業務のインプットとなるデータを大量かつ論理的に処理して大量のアウトプットを生む。彼らは、人間のインテリ社員のスーパー版、すなわちスーパーインテリ社員なのだ。

 また、感情がないから、やりたいこともやりたくないこともない。やれと言われたことをひたすらやる。彼らは、人間の指示待ち社員のスーパー版、すなわちスーパー指示待ち社員でもある。

 つまり、AI社員は、人間の「指示待ちインテリ社員」のスーパー版、すなわち「スーパー指示待ちインテリ社員」なのである。だから、指示次第で彼らは「スーパー使える社員」になる。

だからAIは仕事モドキをやりかねない

 半面、指示次第で、彼らは「スーパー使えない社員」にもなる。

 仕事の本質とは、消費者にとっての価値を生むことであるから、消費者にとっての価値を生まない作業は、仕事モドキでしかない。しかし、指示されれば、AI社員はその“仕事モドキ”をひたすらやる。

 例えば彼らは、消費者にとっての価値はどうあれ、指示次第では目の前の法人顧客の言いなりのスーパー「下僕」となる。指示に準じるためなら、素材の品質よりも納期をスーパーに優先するだろう。

 また、消費者にとっての価値や法人顧客の意向がどうあれ、会社や所属部門のためだけに働くスーパー「会社人間」ならぬスーパー「会社AI」にもなる。指示に準じるためなら、会計データをスーパーに改ざんするだろう。

 だから、もしもAI社員が大挙して仕事モドキをスーパーにやれば、企業は崩壊に向かう。そのことは、誰もが容易に想像できるはずである。