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 「異能」ともいえる際立った能力や実績を持ち、周りから一目置かれるエンジニアの素顔に迫る。今月は、ロボット制御の専門家であり、アスラテックというロボット関連企業の技術トップを務める吉崎航氏。今回は、ロボットに関する様々な技術を身につけていった経緯や、ロボットの未来について聞いた。

(聞き手は大森 敏行=日経 xTECH/日経NETWORK)


前回から続く)

 中学生のときに「ロボットにはソフトウエアが足りない」と気づいてからは、ロボットのためのソフトウエア開発を意識するようになりました。

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 中学を卒業すると、徳山工業高等専門学校(徳山高専)の情報電子工学科に入りました。推薦の面接でも「とにかくロボットを作りたい」と言いました。すると「なぜ機械科に行かないのか」と言われました。それに対して「私としてはロボットを作るために情報系に行きたい」という言い方をしました。

 高専ではずっとロボコン(全国高等専門学校ロボットコンテスト)に取り組んでいました。中心になっていたのは機械科の生徒ですが、私はメカとソフトウエアの両方をやっていました。

 ロボットを開発するために、ソフトウエア、電子回路、メカを一通り知っている状態になりたかったのです。電子回路の技術を身につけて、高専のときに技能五輪の「電子機器組み立て」というカテゴリーにも参加しました。技能五輪では山口県代表として全国大会にも出ました。

 技能五輪は国体に似ていて、その後に世界大会もあります。若い人(原則23歳以下)しか参加できません。各メーカーの中でその技能が一番うまい人たちが参加するイメージで、学生はあまり参加しません。他に左官や洋裁など様々なカテゴリーがあります。継承すべき技能で日本一や世界一を決めるのです。

 電子機器組み立てでは、たいていの人は会社の看板を背負って参加していました。やることは、はんだ付け、壊れた回路の修理、回路設計などかなり幅広かったです。プログラミングも少しは分からないとできないようになっていました。

 高専の卒業研究は人工知能(AI)でした。ニューラルネットワークで複数台のロボットを同時に動かすという研究です。

 AIの後は、画像認識をやりたいと思っていました。ロボットに関する一通りの技術の中に「ロボットの目」、すなわち画像認識があったからです。

 画像処理をメインに置いている大学の学科はあまりありませんが、千葉大学工学部には情報画像工学科がありました。そこで高専を卒業して、大学3年からそこに編入しました。大学2年間で画像認識の研究に取り組み、画像認識システムを作って論文も出しました。

 そのあたりまでくると、AIと駆動部の間に必要なシステムを作りたいという考えがだいたい固まってきました。こうしたシステムを作ったら、あとは自由にAIを組み合わせて、様々な用途向けに動かせるのではないかと考えました。

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