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 日経クロステック建築・住宅面で、過去に公開したニュースをランキング形式でご紹介します。2019年3月2日~3月8日に読まれた記事の1~10位までを、本日3月5日~3月11日にかけて無料で読めるようにしました。

1位:虎ノ門、芝浦、品川。超巨大開発の本格化で港区突出が鮮明に

「東京大改造マップ2019-20XX」より。「虎ノ門・赤坂・六本木」エリアのマップ。同書ではほかに、「日八京・大丸有」「品川・田町・浜松町/羽田」「有明・豊洲・晴海」「渋谷・神宮外苑」「新宿」「池袋」「横浜」を合わせた8エリアに関し、オリジナルのマップを使いながら大規模開発プロジェクトの動向を解説している
(資料:日経アーキテクチュア、地図制作:ユニオンマップ)

 東京23区で計画や建設が進行中の延べ面積1万m2以上の大規模開発プロジェクトは、総面積では前年同期と同水準で推移した。2018年版調査との違いとしては、東京ミッドタウン日比谷、大手町プレイス(大手町2丁目地区再開発)が18年中に完成した千代田区の動きが落ち着き、総面積では微増の江東区が同区を上回る結果になった。

2位:磯崎新氏に2019年プリツカー賞、日本人8人目の快挙!

 2019年のプリツカー建築賞が、磯崎新氏(1931年生まれ)に決まった。同賞を主催するハイアット財団が3月5日午前10時(米EST東部時間)、日本時間で6日午前0時に発表した。日本人(ユニットを含む)受賞者としては8人目に当たる。審査委員長などの選考理由を伝える。

3位:まさかの10大建築入り!技術が過去を輝かすあの再生プロジェクト

 建築史家の倉方俊輔氏(大阪市立大学准教授)がこの建築についてそう書いているのを読んで、「なるほど!」と膝を打った。確かに、このプロジェクトでは、通常は未来のために使われる先端技術や新たな制度が、過去を輝かすために使われている。

4位:地盤を改良しても効果に明暗

旧水路沿いに住家被害が集中 液状化で住家被害が生じた箇所に旧水路と谷筋の位置を重ねた。住家被害箇所は関東学院大学元教授の若松加寿江氏と長岡工業高等専門学校の尾上篤生名誉教授の報告書などに基づく
(資料:日経ホームビルダー)

 札幌市清田区美しが丘地区では、震度5強を記録した北海道胆振東部地震で、液状化が広範囲に発生した。美しが丘南公園の周りの美しが丘1条から3条で60戸以上の住宅が不同沈下するなどの被害を受けた。実は、美しが丘地区で液状化が確認されたのは今回が2度目だ。1度目は、震度4を記録した2003年9月の十勝沖地震が発生した時だ。

5位:宅配ボックスの設置で約8割がストレス軽減

 住宅に宅配ボックスを設置した前後で、荷物の受け取りに対する居住者のストレスがどう変化するか――。こんな疑問を解き明かす検証実験が1000世帯を対象に実施された。その結果、宅配ボックスの設置によって、ストレスが減ったと感じている人が82.3%に上った。実験を実施したのは、宅配ボックスを製造・販売するナスタ(東京都港区)だ。

6位:住宅IoT化の覇権争い、激変する勢力図

住宅のIoT化を目指して市場に参入する企業は多い。2018年から19年にかけてのニュースリリースなどを分析すると、パナソニックとLIXILの存在が大きいと分かった
(資料:日経ホームビルダー)

 プラットフォームを巡る動向について分析する。17年末、Google(米グーグル)のGoogle HomeやAmazon.com(米アマゾン・ドット・コム)のAmazon EchoといったAIスピーカー(スマートスピーカー)の販売が日本で始まったことをきっかけに、IoT住宅は急速に注目を集めた。

7位:液状化判定は複数条件の比較も重要に

リスクが1番低い判定箇所で液状化が発生 札幌市が公表している液状化危険度図の上に、液状化が発生した3カ所を記した。地点Fは、液状化の可能性が極めて低いと表示されていた
(資料:札幌市の資料に日経ホームビルダーが加筆)

 液状化の発生リスクは液状化マップなど様々な方法で事前に判定できる。北海道胆振東部地震で液状化が発生した3カ所について判定を行ったところリスクが低く見積もられたケースが複数出た。

8位:地中の擁壁が盛り土のすべりを誘発

1000分の10以上傾いた住宅が50戸以上 北広島市大曲並木3丁目の造成地に立つ住宅の、最大傾斜と傾斜の向きを記した。1000分の10以上傾いた住宅が50戸以上に達した。大きく傾いた住宅は、谷を埋めた川沿いの氾濫原低地に多く見られる。右上の写真は、地震で損傷した擁壁。この擁壁の下に住宅がある。右下の写真は、川沿いの擁壁の反対側で盛り土がすべって地盤の下に空洞が生じた住宅
(資料:北広島市の資料の一部を日経ホームビルダーが加工)

 北海道北広島市大曲並木3丁目地区では、大曲川沿いの15戸が、2018年9月の北海道胆振東部地震が引き起こした擁壁の倒壊によって全壊した。現地では、地盤ごと約1.5m下に動いた住宅や、地盤改良に用いていたコンクリート杭が損傷した住宅などが見つかった。被災した擁壁の影響で不同沈下した住宅は、大曲川の東側にも広がっている。

9位:「平成の10大建築」先行公開、環境時代の先陣切ったあの空港

 「流れるような空間構成と巧みな断面形状、緻密な構造体のディテールとおおらかな屋根のシルエットによって生み出された造形は、この時代を代表するモニュメント」──。建築史家の松隈洋氏(京都工芸繊維大学教授)がそう評するこの建築が、お分かりだろうか。

10位:透明断熱材のエアロゲルが窓を変える

15㎝角のSUFAをかざした様子 遠くの景色まで透けて見える
(出所:ティエムファクトリ)

 いつか断熱材そのものが、窓や壁になるかもしれない――。そんな期待を抱かせる新素材が開発されつつある。ベンチャー企業のティエムファクトリ(東京都港区)と京都大学、YKK APが共同開発している超軽量透明断熱材のエアロゲル「SUFA(スーファ)」だ。エアロゲルは、体積の90%以上が空気でできている。SUFAではブロック状や粒状、パウダー状のバリエーションを用意した。ブロック状の場合、触れると端が崩れるほどもろい。両面を強化ガラスで挟んで圧着することで、断熱ガラスとして使える。「透明性の低い粒状のSUFAは壁パネルに充填して間仕切り壁などに使う方法も考えられる」と、ティエムファクトリのクリエイティブソリューション部の堀内史郎部長は説明する。