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 日経クロステック建築・住宅面で、過去に公開したニュースをランキング形式でご紹介します。2019年10月12日~10月18日に読まれた記事の1~10位までを、本日10月15日~10月21日にかけて無料で読めるようにしました。

1位:台風15号の千葉被災地、19号でブルーシートが大量飛散、張り方で差も

 2019年9月9日未明に上陸した台風15号で著しい被害が発生した千葉県。ほぼ1カ月後の10月12日夜、さらに強力な台風19号が襲った。10月14日、15号の被害が大きかった県南西部の南房総市と館山市、鋸南町を取材すると、強風でブルーシートが剥がれて損傷箇所があらわになっている住宅が多数見つかった。剥がれたのは15号で被災した箇所を応急処置していたブルーシートだ。鋸南町でブルーシート張りボランティアの派遣依頼を住民から受け付けているNPO法人アドラ・ジャパンの小出一博プログラム・オフィサーは「町内を見回った印象では15号被害によるブルーシート施工箇所の6割以上に不具合が発生しているようだ」と話す。

2位:宮崎市の建設会社が確認済み証偽造、建て主から怒りの声続出

写真:ブロックスタイルによる被害を訴える20代の男性
写真:ブロックスタイルによる被害を訴える20代の男性

 宮崎市内の建設会社ブロックスタイル合同会社が設計した市内4棟の建物は、確認申請をせずに着工したことが発覚。うち1棟は建て主に偽造した確認済み証を渡していた。同社は19年8月末に破産手続きを開始、現在は営業を停止している。市は同社を公文書偽造・同行使の罪の容疑で宮崎県警察に告発。市建築指導課によると18年10月、市の職員が確認済み証が交付されたことを示す標識を掲示せずに着工している建設現場を見つけた。設計者のブロックスタイルに聞き取りを行ったところ、市が指摘した建設現場に加えて、これまでに設計した住宅3棟についても確認申請をせずに着工していたことが分かった。

3位:坂茂氏のスイートヴィラ15棟、石上純也氏の「水庭」前に20年7月開業で豪華共演

写真:日経アーキテクチュア
写真:日経アーキテクチュア

 建築家の坂茂氏が設計した「スイートヴィラ」(建設中)に泊まり、同じく建築家の石上純也氏が手掛けたランドスケープ「水庭」(2018年6月に完成)を眺め、散歩する──。そんな体験ができる日が20年夏にやって来る。現在、栃木県那須町で工事が進行中だ。19年10月9日に、建設中のヴィラと併設するガーデンレストランの敷地が報道陣に公開された。

4位:震度5強で崩落したホール天井、復旧費20億円請求も設計・施工者に「過失なし」

 震度5強で吊り天井が崩落したのは設計者・施工者の責任か。ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市)の事故を巡る裁判で横浜地裁は2018年5月、所有者である川崎市の請求を棄却する判決を下した。市は控訴した。天井落下事故が起こったミューザ川崎シンフォニーホール。舞台を取り巻くように約2000の客席を設けた国内でも屈指のコンサートホールだ。最高天井高さ22m、最大スパン36mの大空間は東日本大震災の揺れで一変した。

5位:1000人の位置情報を数センチ単位で計測、ライゾマが描く未来都市の姿を追う

写真:日経アーキテクチュア
写真:日経アーキテクチュア

 東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が主催し、エンジニア集団のRhizomatiks(東京・渋谷)が企画制作と演出を手掛ける「Light and Sound Installation "Coded Field"」が、2019年11月16日に一夜限りで開催される。会場は東京・港にある「浄土宗大本山増上寺」、および、隣接する港区立芝公園と東京都立芝公園である。東京タワーのすぐ近くにある広い敷地で、江戸時代には徳川将軍家とゆかりが深かった東京を代表する場所の1つだ。

6位:アントニン・レーモンド コルビュジエの発信力に泣く

アントニン・レーモンド
 チェコ生まれ。パリのオーギュスト・ペレ事務所を経て米国に渡り、フランク・ロイド・ライトに出会う。帝国ホテルの設計監理者として来日するが、完成前にライトの下を去り、日本で設計事務所を開設。東京女子大学、星薬科大学などを設計する。太平洋戦争の開戦で米国へ帰るが、終戦後に再来日。群馬音楽センターや聖アンセルモ教会など、コンクリート打ち放しの構造美を見せた建築を設計する。その一方で、木造の屋根架構を現した小規模な教会も多く手掛けた。事務所からは前川國男、吉村順三、増沢洵ら、日本の戦後建築界を担った建築家が巣立った。

7位:CLT耐震壁を鉄骨架構に組み合わせ、耐火建築のプロトタイプに

 鉄骨ラーメン構造とCLT耐震壁を組み合わせた5階建てオフィスビル。耐火建築物のプロトタイプとして建てられた。この組み合わせは汎用性が高く、すでに次の6階建てが着工。技術的には14階建てまで建設が可能だ。兵庫県林業会館は、神戸市中央区の中小ビルが密集した一角に立つ。1972年に建てられた鉄筋コンクリート(RC)造の旧会館を建て替えた。2019年1月に完成した新しい林業会館は地上5階建て。ガラスのカーテンウオールを透かして、木質の壁が市松に並ぶ外観が特徴だ。耐震壁として用いたCLTパネルを現しで使ったものだ。

8位:「各企業が別の動きではもったいない」、国交省担当者が語るBIM活用

 官民一体となって建築分野でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用を推進することを目指す「建築BIM推進会議」が2019年6月、国土交通省の声掛けで立ち上がった。2019年10月11日、「日経 xTECH EXPO 2019」で開催された特別講演「今なぜ『建築BIM推進会議』か──国と民間が一体で進めるデジタル生産革新」に国交省住宅局建築指導課の高木直人氏が登壇。

9位:梁せいを小さくして開放的な室内に、免震などと組み合わせ

 戸田建設は、梁せいを従来の半分程度に抑える鉄筋コンクリート(RC)扁平梁工法を開発した。床から梁下までの高さを大きくとれるため、開放的な空間を実現できる。天井付近の設備の施工やメンテナンスが容易にできるメリットもある。梁せいが800~900mmの場合、扁平梁なら半分の400mm程度に抑えられる。そのため、開口部を大きく確保したり、建物の高さを抑えたりできる。

10位:白井晟一 「違和感」を自在に操る

白井晟一
 京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)の図案科を卒業後、ドイツ・ハイデルベルク大学でカール・ヤスパースの下で哲学を学ぶという異色の経歴の持ち主。戦後は建築家として活動したが、高度経済成長へと進む時代の潮流とはかけ離れた孤高のスタイルで、秋ノ宮村役場や松井田町役場などの地方庁舎や住宅の設計に取り組み、知られるようになる。実現には至らなかったが、キノコ雲をかたどったような原爆堂は、今も見る者に衝撃を与える計画案だ。中公新書や中公文庫のマークは白井によるものである。