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 日経クロステック建築・住宅面で、過去に公開したニュースをランキング形式でご紹介します。2019年12月16日~12月22日に読まれた記事の1~10位までを、本日12月17日~12月23日にかけて無料で読めるようにしました。

1位:京都スタジアム建設地を巡る住民訴訟、浸水被害の拡大を指摘した住民側が敗訴

 京都府亀岡市のJR亀岡駅北地区で進む土地区画整理事業の影響で水害の危険性が高まるとして、住民148人が2014年に市を相手に起こしていた住民訴訟。京都地方裁判所は19年11月19日に住民側の訴えを退ける判決を下した。住民側は同年12月3日に控訴した。この地区では「京都スタジアム」の建設が進んでいる。問題となった事業の対象区域は、桂川や周辺河川の氾濫により何度も浸水被害に見舞われてきたエリアで、市街化調整区域に位置していた。

2位:世論調査で「木造住宅派」が過去最低に、若年層の木造離れが目立つ

木造住宅か非木造住宅かの意向を示す回答の推移。内閣府が2019年11月29日に公表した調査結果によると、在来工法と在来工法以外を合わせた「木造住宅」は73.6%で、調査を開始した1989年以降、初めて80%を割り込んだ
資料:内閣府の資料を基に日経アーキテクチュアが作成

 “木造住宅派”が減少傾向にある――。内閣府が2019年11月29日に公表した「森林と生活に関する世論調査」で、興味深い事実が明らかになった。住宅の新築や購入の際に木造を選びたいと回答した人が1989年の調査開始以降、初めて8割を切った。調査は、住宅や非住宅への木材利用、木材の生産などに関する意向を聞いたもので、全国の18歳以上の3000人が対象。

3位:渋谷駅周辺を「縦横」に大改造、フクラスに入居した東急プラザの開業で2020年の姿が見えた

 2019年12月5日、新生「東急プラザ渋谷」がオープンした。渋谷駅前の再開発に伴い、15年に旧・東急プラザは閉館。渋谷駅西口の新しい顔となる超高層ビル「渋谷フクラス」(19年11月開業)の地上2~8階と17、18階に新たに入居し、69店のテナントをそろえて戻ってきた。商環境デザインは、GLAMOROUS(グラマラス、東京都港区)の森田恭通代表が手掛けた。東急プラザ渋谷は年間で、約500万~600万人の来館者数を目指している。

4位:博物館とホテルに父の建築空間を「再現」 、谷口建築設計研究所の谷口吉生氏

金沢市で2019年7月に開業した「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」の2階、「游心亭」を再現した部分に立つ谷口吉生氏。敷地の近くを流れる犀川に向かって水盤を置いた
写真:日経アーキテクチュア

 著名な建築空間をどう継承するか。2019年、谷口吉生氏は2つの「再現」の形を示して見せた。1つが、金沢市で7月に開館した「谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館」だ。一般の人々にも建築の魅力を伝えるため、住んでいた土地を谷口家が寄贈し、市が建設した。建物の2階には、谷口氏の父・吉郎氏(1904~79年)が設計した迎賓館和風別館「游心亭(ゆうしんてい)」(東京都港区、74年完成)の広間と茶室を原寸大で再現した。実物の游心亭を訪れるには予約が必要だが、建築館ではより多くの人々が身近に空間を体験できる。

5位:アーキテクト・オブ・ザ・イヤー2020に隈研吾氏、完成数と影響力で他を圧倒

 東京・渋谷で、複合施設「渋谷スクランブルスクエア」が2019年11月に開業した。渋谷駅周辺開発の起爆剤となる同スクエアの第1期(東棟)で、隈研吾氏はデザインアーキテクトとして低層部のデザインを手掛けた。「建築家が超高層ビルに関わる上での限界を突破できたように思う。高層部のデザインアーキテクトである日建設計との協働で新しい象徴がつくれた」と話す。

6位:渋谷フクラスに第2本社を構えるGMOが技術者の集いの場を開設、東急プラザと同時オープン

渋谷フクラスのオフィスフロアに入居する、GMOインターネットが設けたエンジニアのコミュニケーションスペース「シナジーカフェ GMO Yours・フクラス」
写真:日経アーキテクチュア

 東京・渋谷駅前にまた1つ、新しい複合施設が誕生した。2019年11月に開業した超高層ビル「渋谷フクラス」内の商業施設「東急プラザ渋谷」が、12月5日にオープンした。渋谷フクラスのオフィスフロアには、GMOインターネットが第2本社を構える。現在、移転作業を順次進めているところだ。GMOは16階に、エンジニアやクリエーターが集える場「シナジーカフェ GMO Yours・フクラス」を開設し、ここは東急プラザ渋谷の開業と同時に利用を開始した。従業員だけでなく社外の人でも参加できるIT関連のイベントやセミナーなどをここで頻繁に開催し、外部のエンジニアにも開かれた場所にする考えだ(自由に立ち入れるわけではない)。

7位:コンピュテーショナルデザインで未来の家「EQ House」を設計、竹中工務店の花岡郁哉氏

 竹中工務店東京本店設計部の花岡郁哉氏がリーダーを務める設計第2部門の設計4グループ、通称アドバンストデザインチームは、社内で最先端の設計に取り組む部署だ。このグループの成果を語るうえで外せないのが、2019年3月に完成した東京・六本木の「EQ House」である。近未来を先取りして建てた「家」といえる。花岡氏はEQ House全体を、特徴的な外装パネルで覆った。プログラミングで形を生成するコンピュテーショナルデザインで、外観のプランを練リ上げた。

8位:気密と断熱、シロアリ対策を1つの部材で実現

 城東テクノは、「Joto基礎断熱工法」に必要な気密パッキンと断熱材、シロアリ返しの3部材を一体化した「シロアリ返し付き断熱気密パッキン」を2019年10月に発売した。基礎断熱工法を施した床下は密閉されていて空気が流れにくいため、シロアリの被害が発生しやすい。Joto基礎断熱工法は床下内の空気を循環させ、シロアリが嫌う風通しの良い環境をつくる。万一、シロアリが侵入しても、シロアリ返しを設けて躯体には上がれないようにしている。

9位:暴走「風」台風の住宅被害を動画で再現すると

風上側から見た建物に当たる風速の再現画像。住宅A付近で風速が増している
資料:環境シミュレーション

 2019年の台風15号と18年の台風21号による住宅被害の中には、周囲に立つ建物の影響で風が局所的に強くなったケースがある。風災害を拡大する環境リスクだ。この現象に詳しく、台風による建物被害の分析を多数依頼される環境シミュレーション(東京・千代田)の阪田升代表に、自社で開発したソフトを使って実際の台風被害を再現してもらった。

10位:資生堂の都市型研究所「S/PARK」、社員の交流を鹿島が設備設計BIMで具体化

 横浜高速鉄道のみなとみらい線、横浜駅とみなとみらい駅の間にある「新高島駅」付近には最近、ビルが林立し始めている。数年前までは原っぱのようだった土地が、オフィスビルで埋め尽くされようとしている。その1つに、2019年4月に稼働した資生堂の新しい研究開発拠点「資生堂グローバルイノベーションセンター(通称S/PARK)」がある。郊外型の低層で横長な研究所とは違い、都心の施設は縦長になることがほとんどだ。