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既存住宅にも対応を拡大

 第1フェーズでは主に、センサーの通信状況などを確認し、インフラが構築できるか否かの検証を行った〔写真2、3〕。例えば、センサーが無線で通信する際に電波干渉が発生しないかを確かめた。特に都市部では、電力を測定するスマートメーターなど、さまざまな機器が無線通信を行っており混雑しているからだ。

〔写真2〕躯体の揺れや傾きを検知する加速度センサー。胴差し部や小屋部に取り付けた(出所:住友林業)
〔写真2〕躯体の揺れや傾きを検知する加速度センサー。胴差し部や小屋部に取り付けた(出所:住友林業)
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〔写真3〕基礎の底盤部に取り付けた浸水センサー。電池交換などの作業を考慮して、点検口の部分に取り付けた(出所:住友林業)
〔写真3〕基礎の底盤部に取り付けた浸水センサー。電池交換などの作業を考慮して、点検口の部分に取り付けた(出所:住友林業)
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 センサーがIoTゲートウェイと通信する際の障害物は他にもある。例えば、電波を減衰させる金属だ。最近の住宅では、Low-Eガラスのように金属膜を塗布した高性能ガラスを採用するケースが増えているほか、一部にアルミのシートを使用している断熱材を使っている場合がある。住宅内だけで無線通信を行う場合にはあまり問題は生じないものの、IoTゲートウェイを外部に設置する場合には、これらの金属が電波を減衰させる恐れがある。

 実験の拠点として、関東圏内の5カ所を選定した。いずれも、気象庁の地震観測地点に近い場所だ。センサーが記録した揺れのデータと、気象庁が記録したデータを比較して整合性を確認する狙いがある。

 第2フェーズでは、検証エリアを関東圏以外にも広げる方針だ。浸水センサーの検証などを行うほか、収集したデータをスマートフォンで閲覧できるようにする。さらに、住友林業が建てた住宅以外の建物も対象とすることで、既存住宅でのセンサーの活用が有効かどうかも検証する。

 19年のサービス開始時には、住友林業で建てた住宅以外の既存住宅も対象とする予定だ。鈴木グループマネージャーは「センサーを測定機器として活用して、耐震診断などにも応用できるようにしたい」と話す。

 18年10月からはフェーズ3に移行して、実証実験を全国展開する予定だ。センサーの量産化も始め、19年のサービス開始に備える。「現段階では3つのセンサーとIoTゲートウェイをセットにした価格が高い。10万円以下での提供を目指している」(鈴木グループマネージャー)