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AIに最も注目する職種、業種はどこか?

 実例を挙げ、どのような傾向が分かるのかを見てみよう。まずは、人工知能(AI)の例。下の図1は、「人工知能」「AI」関連のすべての記事に対する読者の閲覧状況を「職種」の属性で調査した結果である。職種の属性の中から、閲覧度合の変化が大きなところ、そしてAIの要素技術開発に関わる「研究・開発」、さらにAIを使ったシステムの開発に関わる「情報処理・情報システム」を載せた。なお、図の縦軸「変化度合」は、2016年10月時点の読者閲覧状況を100としたときの変化を示している。例えば、「人工知能」「AI」関連の記事を閲覧した全読者のうち特定の職種(研究・開発など)が占める割合が、2016年10月時点から2017年10月で倍増していれば、変化度合は200として表される。

図1 「人工知能」「AI」関連の全記事に対する読者の閲覧状況
図1 「人工知能」「AI」関連の全記事に対する読者の閲覧状況
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 上図をみると、2017年3月ごろから「研究・開発」の低下と、AIの使い手に相当する属性の上昇が見られ、AIがキーワードとして急速に浸透しつつある職種は「財務・経理」「建築・土木関連」「総務・人事」ということが分かる。カネとヒトに関わるところ、という感じだろうか。なお、本稿では詳細の説明は省くが、属性の「経営者・役員」の上昇が顕著になっていることは、事業検討から投資のフェーズに変わりつつあることを示しているものと推察できる。

 次に、AIについて「業種」の属性で調査した結果を見てみよう(図2)。業種の属性の中から、閲覧度合の変化が大きなところ、そしてAIの要素技術やシステムの開発に関わる「情報処理、SI、ソフトウエア」を載せた。

図2 「人工知能」「AI」関連記事に対する業種別閲覧状況
図2 「人工知能」「AI」関連記事に対する業種別閲覧状況
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 上図を見ると、「旅行」を筆頭に、「飲食店・宿泊」「不動産」「運輸」「建設」「人材サービス」「介護・福祉」といった、人間が作業に直接携わることが多い業種でAIへの関心度が高まってきたことが分かる。AIを使って人間が携わる業務の効率化を図ろうという意欲が強まりつつあるといえる。