地方発の商品開発の事例が最近増えている。下の写真1は、東京のコンビニチェーンであるナチュラルローソンで発売された「美活の出雲ハーブクッキー」。島根県出雲地方で古くから薬草として知られるアカメガシワやハトムギなどを練り込んで、美容健康意識の高い都市部の働く女性に向けた商品になっている。2016年9月に発売した「食べるお守り」シリーズ(写真2)の第二弾という位置づけだ。

 この商品開発は、出雲商工会議所が中心になって進めた地域資源活用全国展開プロジェクトの成果が基になっている。

写真1 ナチュラルローソンで販売された「美活の出雲ハーブクッキー」。美容健康意識の高い都市部の働く女性がターゲット。残業時にちょっとつまめるクッキーというコンセプト。
写真1 ナチュラルローソンで販売された「美活の出雲ハーブクッキー」。美容健康意識の高い都市部の働く女性がターゲット。残業時にちょっとつまめるクッキーというコンセプト。
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 ターゲットは都市部の働く女性、利用シーンは残常時にオフィスの机でちょっとつまめること。販売チャネルも当初からナチュラルローソンを想定して商品企画を進めた。この開発プロジェクトが面白いのは、20~30代を中心とした女性だけの開発チーム「いずも薬草女子部」(写真3)を編成して、商品コンセプトやデザインなどを作り上げていったところである。そこに、東京の市場を良く知る料理教室の指導者が参画してものづくり面でかたちにするというプロセスを加えた。さらに、東京で実際にターゲットとなる女性に対するグループインタビューなども実施して、商品価値をどのように設定するかの議論を重ねた。

 その結果、試作した商品はほぼそのままのかたちで商品化され、ナチュラルローソンで発売されることになったのだ。

写真2 2016年9月に発売された「食べるお守り」シリーズ第一弾。米粉のクッキーと大豆と米粉のシリアルバー。
写真2 2016年9月に発売された「食べるお守り」シリーズ第一弾。米粉のクッキーと大豆と米粉のシリアルバー。
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 このように、商品開発の最初からターゲティングや、販売チャネルの設定、デザインコンセプトの明確化などをきちんと押さえることが、ヒット商品を生むためには必須だと筆者は考えている。ところが特に地方発の商品開発にはそうなっていない場合が多い。

 むしろ地方発ゆえに消費者目線ではなく「作り手目線」になりがちだという傾向がある。

写真3 消費者目線で、「自分ゴトとして」ものづくりをするために「いずも薬草女子部」が活躍した。
写真3 消費者目線で、「自分ゴトとして」ものづくりをするために「いずも薬草女子部」が活躍した。
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