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AI連係を加速、RPA先進企業からDX先進企業へ飛躍

 この企業に起こっているのはどういうことを意味するのか。まず、ロボット導入によって生まれた余剰時間、余剰人材を次の価値ある業務に生かすという、RPAの本来の目的がしっかりと達成されている。加えて、現場でITのアンテナを高く上げて、DXをリードする人材も誕生したことになる。社を挙げてDXを推進しようとする企業にとって、最も望ましい環境がRPAを経験した現場から生まれつつある。前述の日経コンピュータによる調査でAI、IoT、RPAを取り扱いたいとする回答数の中に、こうしたRPA先進企業が存在しているのだと考えると、胸の躍る感がする。今のところはRPA導入企業の1社にカウントされているものの、早晩DXの先進企業として群を抜け出し、注目を集めることになるだろうからだ。

 こうした先進企業の変化を目の当たりにして、RPAベンダーも2019年の商品開発の大きな柱にAI連携を据えた。そこでは流行のAI-OCRの強化というより、もっと先の応用例を見ている。例えばAIの自然言語処理によって複数文書を要約してRPAの業務領域を拡大したり、ネット上のネガティブな書き込みの判断にAIを使ってクレーム対応を充実させたりといったことだ。AI開発のために数100億円の資金調達を昨年実施したベンダー。AI開発組織にRPA商品を移管して、AI時代のRPAのあり方を一から再検討するベンダー。RPAの導入責任者をDXの推進者と捉えて、AIを含めた提案を準備するベンダー。いずれも、大企業で足踏み状態になっているRPA浸透の突破口としてAIに期待を掛ける。

 期待が大きいとは言え、必ずしもAIの導入は簡単ではない。だが、働き方改革で急伸してきたRPAが、AIと連携し、DXという新しい目標を掲げるステージに移行しつつあるのは確かなようだ。