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 日経BP総合研究所は2020年9月上旬、「新政策『新基建』『中日地方発展合作示範区』から考える日本企業のビジネスチャンス」というセミナーを開催した。

 セミナーでは、タイトルにもなっている中国の政策「新基建」と「中日地方発展合作示範区」について、著名エコノミストであるAIS CAPITAL代表パートナーの肖敏捷氏が、激化の一途をたどる米中対立を背景に「世界の工場」から「世界の市場」に軸足を移す中国の変化とともに解説した。

 具体的には、「外需」から「内需」へ、「投資」から「消費」へ、「もの」から「サービス」へ、「ハード」から「ソフト」へと中国が転換を図る中、日本企業の商機も中国の金融、製造業のデジタル化に伴う先端技術や、医療や介護に代表されるサービスのノウハウにあるとの指摘がなされた。さらに、中国が新たな日中ビジネスのモデル地区6都市の中に、製造業のスマート化で中国の先端を行く江蘇省蘇州市を含めたことを取り上げ、蘇州のスマート製造という市場を日本の製造業がしっかりと捉えていくことの大切さなどを訴えた。

 また、ディスプレー専門のコンサルタントで北京、深センなどの事情に詳しいテック・アンド・ビズ代表取締役の北原洋明氏から、日本が緊急事態宣言下にあった2020年5月上旬~中旬にかけていち早くオンライン国際会議を開き、同年7月下旬には新型コロナ禍を乗り越えて見本市のリアル開催にこぎ着けた中国のディスプレー産業の「いま」について、貴重な報告があった。

 さらに後半は、東京都港区をはじめとする複数の日本側会場と蘇州の中国側会場をオンラインでつなぎ、中国政府の国家発展改革委員会や蘇州市の当局者による中日地方発展合作示範区の説明などがあった。

 さて、このセミナーの聴講者の中に、北京、香港、上海など足かけ30年にわたって中華圏に住みグレーターチャイナ(中国・台湾・香港)のウオッチを続けている旧知のライター山田泰司氏の顔があった。

 感想を聞いたところ、「中国の内情を読み取るための様々な切り口を提示してくれ、私が普段考えていることの裏付けにもなり、とても参考になった」と言って、色々な話を聞かせてくれた。今回は、この会話の内容を紹介したい。

9月上旬に開催したセミナーの様子
9月上旬に開催したセミナーの様子
(筆者撮影)
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