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 指示した通りに実行しない新入社員(部下)を偶然見かけた場面を想像してほしい。無意識にイラッとした感情が生まれたことに気づくはずです。

 イラッとした感情をそのままにしておくと、「やることが違うじゃないか!」という怒った口調での発言につながる可能性が高まります。結果、部下のモチベーションが上がらずに結果が出ないばかりか、その後の人間関係にも悪影響を与えかねません。

 「怒った態度を部下に見せたくなかった」と後悔しても手遅れです。今回は、こうなることを未然に防ぐために有用な方法を、脳科学の視点で紹介したいと思います。

「メタ認知能力」を使った3つのステップ

 ここで活用するのは、「メタ認知能力」を使った3つのステップです(図1)。メタ認知能力とは、「有形」の「自分」が認知していることを「無形」の「もう一人の自分」が認知する能力のこと。つまり、自分を客観的に捉えることでの、状況に合わせて行動を修正(コントロール) するのです。*1

*1 メタ認知能力については、『3Mで学んだイノベーションの設計図、第29回:情熱を伝えるためのコミュニケーション能力とは』(日経ものづくり2017年6月号 pp.76-82)などを参照。
図1 メタ認知能力を使った3つのステップ
図1 メタ認知能力を使った3つのステップ
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