本連載では、国内外のハイブリッド車(HEV)やエンジン車を分解して、主要部品や構造などを調査した結果を報告する。
あのクルマ、分解したらこうだった
目次
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モーター回生力を活用して減速するECB、トヨタアクア(4)
燃費を徹底的に追求したアクアでは、車体を軽くするために高張力鋼板の適用率を上げている。高張力鋼板の割合はホワイトボディー全体で約57%に達し、そのうち超高張力鋼板をサイドシル、センターピラーなど約12%に採用している。
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後席下に配置した電池が低重心化に貢献、トヨタアクア(3)
今回は、トヨタ自動車の小型ハイブリッド車「アクア」のハイブリッドシステムの電池パックや協調回生ブレーキ、シャシー部品、内装部品についてみていく。アクアでは、ハイブリッドシステムを小型・軽量化して搭載することが課題であったため、電池パックにもその工夫がされている。
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電動ウォーターポンプで駆動損失を低減、トヨタアクア(2)
トヨタ自動車の小型ハイブリッド車「アクア」は、エンジン補機に3代目プリウスと同様、電動ウオーターポンプを採用した(図6)。これにより、例えば高回転域での駆動損失を抑えながら、冷却水流量を使用状況に応じて細かく制御できるようになった。電動化によって冷却水の最大流量は50%低減できたといい、駆動損失を…
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2代目プリウスの1.5L直列4気筒を小型化、トヨタアクア(1)
今回の分解レポートはトヨタ自動車の小型ハイブリッド車「アクア」を紹介する。車両の分解は、埼玉県産業振興公社の次世代自動車支援センター埼玉が主催する車両分解研究活動の一環として実施された。アクアのハイブリッドシステムは、2代目プリウスに搭載した「THSII」を基本にして、小型車への搭載を可能とするた…
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4層構造の遮音材が静粛性を向上、アコードハイブリッド(4)
ホンダのハイブリッド車「アコードハイブリッド」は前後ドアのインナーパネルにテーラードブランク材を使っている。テーラードブランク材は、板厚や材質の異なる鋼板をレーザー溶接などにより接合して1枚の鋼板としたもの。その後、プレスで所定の形状に打ち抜く。
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高張力鋼板55.8%で軽量化を徹底、アコードハイブリッド(3)
2モーター方式を採用して、JC08モード燃費で30km/LとDセグメントのセダンとして極めて低い燃費を実現したホンダのハイブリッド車「アコードハイブリッド」。前回まではハイブリッドシステムに使われるエンジンやモーター、インバーター、電池パックなどを紹介した。今回からは、前部のサブフレーム、ドア、遮…
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高速走行時はエンジンと駆動軸を直結、アコードハイブリッド(2)
アコードハイブリッドのi-MMDは3種類の走行モードを用意する。リチウムイオン電池に十分な電力が蓄えられている場合、走行用モーターのみで駆動する「EVモード」となる。電池の充電容量が下がると、エンジンを始動させて発電用モーターによって発電しながら、その電力で走行用モーターを駆動する「シリーズハイブ…
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発電用と走行用に2つのモーター、アコードハイブリッド(1)
今回取り上げるのは、2014年1月にひろしま産業振興機構のカーテクノロジー革新センター・ベンチマーキングセンターが分解したホンダ「アコードハイブリッド」である。分解は呉市の広島県立総合技術研究所西部工業技術センターで実施した。まず、そのハイブリッドシステムを中心としたパワートレーン部分を紹介する。
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共通モジュールでTier1部品の採用範囲が拡大へ、VWポロ(8)
後部ドアのドアトリムを外すと、内部のスピーカーやウインドーレギュレーター用モーターが露わになる。後者にはBosch社とドイツKuster社の名が刻まれていた。Kuster社はVWグループと古くから取り引きがあり、ウィンドーレギュレーターやシートベルトなど、アクチュエーターやケーブルを含むシステム部…
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ドイツ生産のエアバッグECUを世界各地に供給、VWポロ(7)
シャシー系部品では、ステアリングシステムが米TRW Automotive社製であった。ポロのようなBセグメントの日本の小型車では、電動パワーステアリングが主流だが、今回分解した部分改良前の車両は、電動ポンプによって油圧を発生させる電動油圧パワーステアリングを使っていた。
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メガサプライヤーが名を連ねる内外装部品、VWポロ(6)
今回のドイツVolkswagen(VW)社「ポロ」の分解レポートは、内外装に使われた部品を見ていく。取材の舞台は前回同様、埼玉県産業振興公社の次世代自動車支援センター埼玉が部品を一般公開した埼玉県産業技術総合センターである。共用化が徹底している部品では、VWグループの全ブランドが刻印されているケー…
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ガソリン直噴の部品メーカーはディーゼルと別、VWポロ(5)
ポロの部品とともに展示されていた直列4気筒ガソリン直噴のTSIエンジン向けの部品についても触れておこう。同エンジンの直噴システムは、Bosch社製のインジェクターと燃料レール、燃料ポンプなどで構成されていた。TSIエンジンには、スーパーチャージャーとターボチャージャーの両方を搭載するタイプもあるが…
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オイルフィルターとオイルクーラーは独Mahle製、VWポロ(4)
エンジン本体に取り付けられるオイルフィルターとオイルクーラーは、ともにドイツMahle社製である。このディーゼルエンジンの場合、オーストリア製であったが、比較用に展示されていたガソリンエンジンでは、ドイツ製であった。
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生産は南アフリカだがエンジン部品は欧州調達、VWポロ(3)
今回のドイツVolkswagen社「ポロ」の分解レポートは、排気量1.2Lのディーゼルエンジンを詳細に見ていく。埼玉自動車大学校での分解作業の後、埼玉県産業振興公社の次世代自動車支援センター埼玉が開催した分解部品の一般公開の場を訪れ、直列3気筒ディーゼルエンジンの採用部品を調べた。そこにはVolk…
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前方吸気、後方排気にエンジンの配置を統一、VWポロ(2)
2日目の作業はディーゼルエンジンと変速機の分解を主なメニューとした。まずはエンジン本体の分解作業に取りかかる。台上に置かれたエンジンから、スターター、オルタネーター、エアコン用コンプレッサーなどの主要補機類を取り外し、その後、強固にボルト固定された5速手動変速機をエンジンから分離した。続いてクラッ…
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日本未導入の直列3気筒ディーゼル、英国仕様のVWポロ(1)
今回の分解レポートでは、本連載で初めてとなる欧州メーカー製のクルマを採り上げる。対象車はドイツVolkswagen社のBセグメント車「ポロ」である。日本市場で未導入の英国仕様であり、排気量1.2Lの直列3気筒ディーゼルエンジンを採用している。
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世界から集積する部品、欧州メーカー製を多く採用
日産「ノート」(8)
ノートとマーチでは、一部グレードでステアリングホイールおよびエアバッグ、コンビネーションスイッチも共通だ(図13)。ステアリングホイールは、心材がマグネシウム合金製であり、エアバッグとともにタカタが手がける。コンビネーションスイッチは、ヴァレオジャパン(旧ナイルス)製である。ただし、生産国は分から…
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自動ブレーキにコスト面で有利な単眼カメラを採用
日産「ノート」(7)
ノートが備えるエマージェンシーブレーキは、米TRW Automotive社製の単眼カメラユニットを使い、約10~80km/hでの先行車や歩行者への衝突回避を支援するもの。日産車では、「エクストレイル」や「セレナ」にも採用済みのこのシステムは他社に比べ、その機構がシンプルなゆえにコスト面で有利だ。
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アラウンドビューモニターをルームミラーに組み込む
日産「ノート」(6)
ここではオプションで装着された機能を中心に電子部品の内部を見ていく。まず、メーターパネルであるが、部品メーカーの表記がなく、特定できなかった。ただし、内部のプリント基板には、米Freescale Semiconductor社製のエントリーメーターパネル用16ビットマイコン「S12HXY」が使われて…
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見えない部分に広がる、タイ生産「マーチ」との部品共通化
日産「ノート」(5)
前回までは、日産自動車「ノート」のプラットフォームの概要やパワートレーンを中心に紹介した。今回からは、ともに「Vプラットフォーム」をベースとしながら、日産自動車九州で生産するノートと、タイで生産する「マーチ」で部品の共有がどこまで進んでいるか、その度合いを調べた。取り上げたのは、内装や電子部品、サ…
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