日経AutomotiveのDisassembly Report「プリウスのシステムを大幅に小型化 トヨタ自動車『アクア』(上)」の転載記事となります。
トヨタ自動車の小型ハイブリッド車「アクア」は、エンジン補機に3代目プリウスと同様、電動ウオーターポンプを採用した(図6)。これにより、例えば高回転域での駆動損失を抑えながら、冷却水流量を使用状況に応じて細かく制御できるようになった。電動化によって冷却水の最大流量は50%低減できたといい、駆動損失をベルト駆動のウオーターポンプから大幅に抑えている。
さらに電動化のメリットとして、ベルトレイアウトの制約を受けないことから、ウオーターポンプの搭載位置の自由度も高まった。ポンプとともにエンジンマウントのブラケットを移動させることで、エンジン全長は20mm短くできた。
アクアはクールドEGRを採用してポンピング損失を減らして熱効率を高めている。ガス温度低減のために、EGRクーラーの冷却フィン構造では、個々のフィンをずらして配置するといった設計変更により、単位体積当たりの放熱率を向上させ、小型化を実現した(図7)。JC08モードでは2代目プリウスからEGRの作動域を17.5%拡大している。