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日経アーキテクチュアの人気連載をベースにした書籍「プレモダン建築巡礼」が2018年4月23日に発売されました。同書の中からいくつかの記事をより抜いてご覧いただきます。今回は井上章一氏(国際日本文化研究センター教授)と磯達雄氏(建築ライター)による対談「その2」です。

前回から読む。

 僕もはっきり言えるほど建築を見る目はないけれど、日本銀行で辰野金吾がやったところ(1896年)と、その隣(東側)に後から長野宇平治(1867~1937年)がつくった増築部(1935年、38年)を比べると、やっぱり長野がやったところの方がうまいと思うんですよね。

井上 そうですね、長野宇平治という人はすごい人ですね。スケールに合わせて整えることができたんでしょうね。

井上章一氏(左)と磯達雄氏(写真:生田 将人)
井上章一氏(左)と磯達雄氏(写真:生田 将人)
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知っておくべき10人 04
長野宇平治(Uheiji Nagano)

古典主義建築を究める

1867(慶応3)年~1937(昭和12)年(イラスト:宮沢 洋)
1867(慶応3)年~1937(昭和12)年(イラスト:宮沢 洋)

東京帝国大学造家学科を卒業した後、横浜税関や奈良県を経て日本銀行の技師となる。日本銀行本店増築、日本銀行岡山支店、横浜正金銀行東京支店など数多くの銀行建築を設計し、日本における古典主義建築の第一人者として認められる存在になった。さらには国際連盟会館の設計コンペに応募したり、大倉山記念館でギリシャ建築よりもさらに年代を遡ったミケーネ文明の建築様式を取り入れたりと、晩年まで旺盛な設計意欲を絶やさなかった。また日本建築士会の初代会長も務めて、建築家の社会的地位を向上させるためにも力を尽くした。