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 食料危機や人手不足といった社会課題から盛り上がりを見せるフードテック業界で、夏の風物詩として定着しつつあるのが、「スマートキッチン・サミット・ジャパン(SKSJ) 2019」だ。今年は2019年8月8~9日の2日間にかけて、「食&料理×サイエンス・テクノロジー」をテーマとしたカンファレンスなどが開催された。

SKSJ 2019の様子
SKSJ 2019の様子
「スマートキッチン・サミット・ジャパン(SKSJ) 2019」は東京ミッドタウン日比谷のBASE Qで開催された(撮影:安蔵 靖志)
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 「世界の最新スマートキッチントレンドとスマートキッチンの目指す未来」に関するカンファレンスでは、フードテックに関する最近の傾向と今後の概要について、さまざまな視点から議論された。講演者らが注目のテーマとして挙げたのは、多様化に対応したパーソナライゼーションの進化や、小売店や家庭における調理ロボット・機器の普及・浸透、家電販売ではなく食材提供から調理までを一貫サービスとして提供するフルスタック化などだった。

フードテックによって一人ひとりに最適な料理を選べるように

 フードテックにより、食分野でのパーソナライゼーションが加速している点を指摘したのは、「『食べること』の進化史」というテーマで登壇した宮城大学の石川伸一教授だ。石川氏は、進化論の考え方を生物の進化以外に拡張した「ユニバーサル・ダーウィニズム」に基づいて考えると、食の未来のテクノロジーも生物と同様に「複雑化」と「多様化」が進み、その予測は今後ますます難しくなると語る。

宮城大学の石川伸一教授
宮城大学の石川伸一教授
(撮影:安蔵 靖志)
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 料理自体の進化によって世界中で同じものが食べられるようになって均質化した一方、ハンバーガーが日本に入ってテリヤキバーガーが生まれたように、均質化した中で多様化が生まれたと石川氏は指摘する。

 人の顔が一人ひとり違うように、職に求める価値観も人それぞれに異なる。食材や調理法が限られていた従来に比べて、3Dフードプリンターなども含めたフードテックによってバリエーションが増えたことで、その人に最も合った料理がより選べるようになると語った。

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