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 フードテック業界では今、「フルスタック」がキーワードになっている。例えば調理家電を単体として販売するのではなく、ミールキットなどの食材やレシピの提供、健康への配慮などまで含めた統合サービスとして提供しようという動きだ。こうしたフルスタックアプローチを取る上では、複数の業界にまたがる企業間連携が欠かせない。いわゆるフードテックにおけるエコシステムの構築が必要になる。

 そのため、フードテック業界では今まさに大手からスタートアップ企業までを巻き込み、異業種連携が活発化し始めた。特に米国やアジアなど海外でこうした事例が急増している。「食&料理×サイエンス・テクノロジー」をテーマにしたカンファレンス「スマートキッチン・サミット・ジャパン(SKSJ) 2019」(2019年8月8~9日、東京都)では「エコシステム構築成功のカギ」と題したセッションが設けられ、フルスタックアプローチを試みる企業の例が紹介された。

「必要なもの」より「あったらいいな」

 「フルスタックアプローチとプラットフォーム戦略」というテーマで登壇したのは、料理レシピアプリ「SideChef」を提供する米SideChefの最高経営責任者(CEO)を務めるKevin Yu氏だ。同アプリは、画面を切り替えて1手順ずつ表示する「STEP BY STEP MODE」を用意しており、音声で手順を読み上げてくれるほか、「Next」や「Back」といった音声による指示ができたり、メニューの予定表やショッピングリストを作成できたりといった機能を備える。さらに、生鮮食料品のネット通販への注文やWi-Fi対応オーブンの遠隔操作など、他社のサービスや機器との連携を積極的に進めている。

SideChef CEOのKevin Yu氏
SideChef CEOのKevin Yu氏
(撮影:安蔵 靖志)
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 「SideChefはステップ・バイ・ステップで調理を進められる料理アプリです。買い物に行って何を作るかを決定し調理するまでのプロセスを、IoTを使ってシームレスにつなぐことで、ユーザーに料理の体験を十分に味わってもらいたいと思っています。そのために我々はここ数年、米GEやシャープなどとのパートナーシップ強化に力を入れ、いろいろな体験を顧客に提供してきました」(Kevin Yu氏)。