エンタメ、テレワーク、清潔家電が注目を集める
そういった状況のこの年に特に注目されたのが、日々の暮らしをサポートしたり、豊かにしたりしてくれる家電の数々だったのではないだろうか。
エンターテインメント関連では、YouTubeやNetflix、Amazonプライムビデオなどの動画サービスを楽しめるAmazon Fire TVやGoogle Chromecast、自宅フィットネスを楽しめるNintendo Switch向けゲーム『リングフィット アドベンチャー』や、Nintendo Switch本体などが品切れになったのは記憶に新しいところだ。
機器としては、popIn(ポップイン)のプロジェクター内蔵LEDシーリングライト「popIn Aladdin(ポップイン アラジン)」シリーズも2018年の発売から累計販売台数9万台を突破するヒットとなった。シーリングライト取り付け金具に取り付けることで、誰でも手軽に設置できるのが魅力となっている。天井に設置するため有線接続はできないが、各種動画サービスに対応しており、リモコン1つでコンテンツを楽しめる。Bluetoothスピーカーを内蔵するパナソニックの「Link Style LED The Sound」や、スピーカーに加えてスマートリモコンや見守りなど多彩な機能を搭載するソニーの「マルチファンクションライト」など、「LEDシーリングライト+α」の製品が増えているのも最近のトレンドだ。
テレワークを円滑に行うための機器としては、ビデオ会議向けにスマートフォンやタブレット端末を固定するためのホルダーや、Webカメラ、スピーカーフォン、顔色をよく見せるためのLEDライトなども新たに家電量販店の店頭で大きな売り場面積を占めるようになった。
新型コロナウイルス禍における感染予防の点では、今年は空気清浄機がヒットした。2020年10月の国内出荷台数は約32万6000台(前年同月比224.1%)で、7カ月連続のプラスになった(日本電機工業会調べ)。空気中のゴミやホコリ、菌などをフィルターで捕集して空気をきれいにするだけでなく、乾燥する冬場に加湿もしてくれる加湿空気清浄機が特に人気だ。次亜塩素酸水溶液で除菌・脱臭を行うパナソニックの「ジアイーノ」や、光触媒で除菌・脱臭を行うカルテックの「ターンド・ケイ」といった除菌脱臭機の注目度もさらに高まっている。手をかざすだけでアルコールを噴霧する電動アルコールスプレーなどもヒットしている。