数式で利用する「=(等号)」は、比較演算子の一種だ。比較演算子には、これ以外にも「>(大なり)」「<(小なり)」「>=(以上)」「<=(以下)」「<>(不等号)」があるが、あまり使ったことがないという人も多いに違いない。
これらの比較演算子を使いこなせるようになると、Excelの世界は断然広がる。特に関数の使いこなし力が一気に高まる。一例がIF関数における比較演算子の活用だ。
IF関数と比較演算子を組み合わせる
IF関数とは、指定した条件に合うかどうかによって返す値を変える関数だ。
脱Excel初心者を目指すには、必ずマスターしておくべき関数だった。念のためIF関数の構造を再度確認しておこう。
この中で比較演算子が活躍するのは引数「論理式」でのことだ。例えば「B1セルが10以上ならば」とか「B2セルが20未満ならば」のような条件は、比較演算子の「>=(以上)」や「<(小なり)」を利用することになる。一例を示そう。
下図は試験の得点一覧で、E2セルに示した基準点以上ならば合格になる。合否判定は「合否」の列に、合格ならば「○」、不合格ならば「×」で表示するように設定したい。
まずC2セルを選択して、「数式」タブの「論理」ボタンから「IF」を選ぶ。「関数の引数」ダイアログボックスが開くので、次のように引数を設定する。
最初の引数「論理式」には「得点が基準点以上ならば」という条件を設定する。得点はB2セル、基準点はE2セルだから、これを数式で書くと「B2>=E2」のように、「>=(以上)」を利用することになる。
なお、今回の場合、設定した数式のオートフィルを考慮して、基準点のE2セルは固定的に参照したいから「B2>=$E$2」と絶対参照にする。この数式を「論理式」に設定する。
ちなみに、「B2<=E2(得点が基準点以下ならば)」「B2>E2(得点が基準点を上回れば)」「B2<E2(得点が基準点を下回れば)」などの条件も適宜設定できる。
次に引数「真の場合」には、基準点以上の場合に返す値を設定するから、合格を意味する「“○”」を入力する。文字列だから「“”」でくくる必要がある。ただし「関数の引数」ダイアログボックスを利用している場合、単に「○」と入力しても後からExcelが「“”」を補ってくれる。
最後に引数「偽の場合」だ。こちらは基準点に満たない場合に返す値を設定するから、不合格を意味する「“×”」を入力する。以上の設定ができたら「OK」を押そう。C2セルのハンドルをダブルクリックしてC9セルまで数式をオートフィルすれば、合否判定表の完成だ。