全802文字
PR

 マイナスの値を赤字にする場合、「表示形式」を用いるのが基本になる。しかしながら、この「表示形式」を使えないケースがある。その1つに、前年割れの値を赤字で表示する場合がある。

関連記事 Excelで「赤字」の表示、マイナス値の文字を赤くするあの手この手

前年割れの強調は「条件付き書式」で

 例えば下図の表のように、2021年と2022年の売り上げがあり、2022年の売り上げが前年割れになってしまった値を赤字表示にしたいとする。ご覧のように、前年割れになった値はマイナス値でないため、「桁区切りスタイル」を用いても赤字にならない。この場合、「条件付き書式」で数式を設定すれば問題は解決する。

前年割れを強調表示にしたいC2:C6を選択し、「ホーム」タブの「条件付き書式」プルダウンメニュー→「新しいルール」で「新しい書式ルール」ダイアログを開く
前年割れを強調表示にしたいC2:C6を選択し、「ホーム」タブの「条件付き書式」プルダウンメニュー→「新しいルール」で「新しい書式ルール」ダイアログを開く
[画像のクリックで拡大表示]
「ルールの種類を選択してください」から「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ。「次の数式を満たす場合に値を書式設定」のテキストボックスに「=B2>C2」と入力する。これは「B2がC2より大きいならば」という条件を示している。その後「書式」ボタンをクリックする
「ルールの種類を選択してください」から「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選ぶ。「次の数式を満たす場合に値を書式設定」のテキストボックスに「=B2>C2」と入力する。これは「B2がC2より大きいならば」という条件を示している。その後「書式」ボタンをクリックする
[画像のクリックで拡大表示]
「セルの書式設定」ダイアログが開いたら、「フォント」タブの「色」から「赤」を選び「OK」ボタンを押す
「セルの書式設定」ダイアログが開いたら、「フォント」タブの「色」から「赤」を選び「OK」ボタンを押す
[画像のクリックで拡大表示]
「新しい書式ルール」ダイアログに戻るので、「プレビュー」に設定した書式が反映されていることを確認して「OK」ボタンを押す
「新しい書式ルール」ダイアログに戻るので、「プレビュー」に設定した書式が反映されていることを確認して「OK」ボタンを押す
[画像のクリックで拡大表示]
前年割れの値が赤字表示になった
前年割れの値が赤字表示になった
[画像のクリックで拡大表示]

 ポイントは数式を用いた書式の設定で、数式を書く際にB2やC2のセルをクリックして入力してもよい。ただしそうすると「=$B$2>$C$2」のように絶対参照になる。このままだとうまく赤字表示にできないので、必ず「=B2>C2」のように相対参照に書き換える。

 こうすることで、例えばC3の「条件付き書式」は、相対参照が働いて「=B3>C3」になる。絶対参照だと「=$B$2>$C$2」のままなので、全てのセルにこの条件が適用され、適切な赤字表示にはならないわけだ。