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漢字で表記した名前をローマ字に変換したいとしよう。さて、どうすべきか。いちいち手入力するのはあまりにも時間がかかりそうだ。専用のアドインを使う手もあるが、インストールが面倒くさいという人も多いに違いない。そこで今回は、Microsoft 365などの最新版Excelが標準で持つ翻訳機能を利用して、漢字のローマ字化にチャレンジしたい。
翻訳機能の王道からはずれる使い方ながら
最新版Excelでは、「校閲」タブに「翻訳」ボタンがある。ボタンをクリックして翻訳機能をオンにすると、選択しているセルの内容を翻訳してくれる。翻訳元や翻訳先の言語は自在に選べるようになっている。
A1:A4の4項目を翻訳してみる。まずセルを選択して「校閲」タブの「翻訳」ボタンをクリックする。「翻訳ツール」作業ウィンドウが開き、「翻訳元の言語」から「日本語」を選択し、「翻訳先の言語」は「英語」を選択する。訳が表示される
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本来は翻訳に利用するのがこの機能の王道だ。今回はこれを下記のような手順で名前のローマ字化に活用してみたい。
翻訳機能がアクティブの状態で、漢字の名前が入力してあるA2:A7を選択する。英文表記(ローマ字表記)の名前が表示される。「翻訳元の言語」が「日本語(検出済み)」(言語の自動検出を意味する)になっていると、「林忠正」が「Lin Zhongzheng」と中国語の読み方で表記され、「山村茂」が「Yamamura Shigeru」と、文字順が「姓」「名」になる。その場合、「翻訳元の言語」を「日本語」に切り替える
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「↓↑」ボタンをクリックして、ローマ字表記の名前を「翻訳元の言語」に移動して選択、コピーする。その後B2をクリックしてペーストする。ローマ字を入力できた。「翻訳先の言語」の内容をコピーしてペーストすると、1つのセルに全てのローマ字が入力されてしまい、うまくいかない
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このように、姓と名の順が逆転した表記ではあるものの、とにかくローマ字表記にはできた。しかし、細部を検討すると、これで「めでたしめでたし」とはいかない。どういうことか引き続き説明しよう。