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 Excelの数式では、入力したシート以外にあるデータも参照して利用できる。また、別シートのデータをよく参照する場合、「名前の定義」を実行しておくと作業が断然快適になる。以下、具体例で説明したい。

為替レートから価格を算出

 ここに「為替レート」という名のシートがある。このシートには米ドルに対する円、ユーロ、ポンドの為替レートが入力してある。一方、これとは別に「為替計算」というシートがあり、ここでは円ベースの製品価格を外国通貨建ての価格に変換したい。この場合、手順は下記のようになる。

「為替レート」シートには米ドルに対する為替レート、「為替計算」シートには各製品の円建て価格が記してある。これをドル建ての価格に変換する。まず、「為替計算」シートのC2をクリックして「=」と入力し、円建て価格のB2を選択し、さらに「/」と入力して「=B2/」とする
「為替レート」シートには米ドルに対する為替レート、「為替計算」シートには各製品の円建て価格が記してある。これをドル建ての価格に変換する。まず、「為替計算」シートのC2をクリックして「=」と入力し、円建て価格のB2を選択し、さらに「/」と入力して「=B2/」とする
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次に「為替レート」のシートタブをクリックして、「為替レート」シートを表示する。対米ドルの「円」レートであるB2をクリックする。さらに[F4]キー(機種によっては[Fn]+[F4]キー)を押して絶対参照にする。これで数式は「=B2/為替レート!$B$2」になった
次に「為替レート」のシートタブをクリックして、「為替レート」シートを表示する。対米ドルの「円」レートであるB2をクリックする。さらに[F4]キー(機種によっては[Fn]+[F4]キー)を押して絶対参照にする。これで数式は「=B2/為替レート!$B$2」になった
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[Enter]キーを押すと、表示が「為替計算」シートに切り替わり、C2にドル建ての価格が返る。後はC2の数式をC6までオートフィルすれば、全製品のドル建て価格を計算できる
[Enter]キーを押すと、表示が「為替計算」シートに切り替わり、C2にドル建ての価格が返る。後はC2の数式をC6までオートフィルすれば、全製品のドル建て価格を計算できる
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 このように、別シートのデータを簡単に利用できた。

 一方で、「為替レート」シートにあるデータは、頻繁に利用する可能性が高い。「名前の定義」で個々の為替レートに名前を付けると、別シートにあるデータをもっと簡単に利用できる。

「為替レート」シートを表示し、A2:B4を選択する。「数式」タブの「定義された名前」グループにある「選択範囲から作成」をクリックする。ダイアログが開くので「左端列」にチェックを入れる。これは左端列(選択範囲のA列)の値を「名前」にすることを意味する。最後に「OK」ボタンを押す
「為替レート」シートを表示し、A2:B4を選択する。「数式」タブの「定義された名前」グループにある「選択範囲から作成」をクリックする。ダイアログが開くので「左端列」にチェックを入れる。これは左端列(選択範囲のA列)の値を「名前」にすることを意味する。最後に「OK」ボタンを押す
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何も起こらないが心配は無用だ。「数式」タブの「名前の管理」ボタンを押すと、いま設定した「名前」が一覧になる。例えば名前「ポンド」の値は「0.7951」で、参照範囲は「=為替レート!$B$4」であることが分かる。また「範囲」は「ブック」になっているから、他のシートでもこの名前を利用できる。つまり数式に「ポンド」と入力すると、「0.7951」として計算されるわけだ
何も起こらないが心配は無用だ。「数式」タブの「名前の管理」ボタンを押すと、いま設定した「名前」が一覧になる。例えば名前「ポンド」の値は「0.7951」で、参照範囲は「=為替レート!$B$4」であることが分かる。また「範囲」は「ブック」になっているから、他のシートでもこの名前を利用できる。つまり数式に「ポンド」と入力すると、「0.7951」として計算されるわけだ
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