全817文字

 Excelで大変重宝する機能の1つに「テーブル」がある。テーブルとは1つの表をデータのひとまとまりとして管理するもので、便利な機能が多数用意されている。その1つに構造化参照がある。ちょっと難しそうな名称だが、名前なんかほっといてとにかく使ってみよう。その便利さを実感できる。

1つの数式を全セルに展開

 下図は店舗の売り上げを示したシンプルな表だ。D列の「計」は集計列で、現在は空白になっている。ここに月ごとの東店と西店の売上合計を表示したい。D2にSUM関数を使って数式を入力してみよう。

A1:D7のいずれかのセルを選び、「ホーム」タブの「テーブルとして書式設定」ボタンを選んで、好みのデザインのテーブルを作成する。次に、2店舗の売り上げの「計」を表示するD2を選択して「=SUM(」と入力し、B2からC2をドラッグし、さらに「)」を入力する。これで数式は自動的に「=SUM(テーブル1[@[東店]:[西店]])」となった
A1:D7のいずれかのセルを選び、「ホーム」タブの「テーブルとして書式設定」ボタンを選んで、好みのデザインのテーブルを作成する。次に、2店舗の売り上げの「計」を表示するD2を選択して「=SUM(」と入力し、B2からC2をドラッグし、さらに「)」を入力する。これで数式は自動的に「=SUM(テーブル1[@[東店]:[西店]])」となった
[画像のクリックで拡大表示]
[Enter]キーを押す。すると「計」の全セルに計算結果が返った
[Enter]キーを押す。すると「計」の全セルに計算結果が返った
[画像のクリックで拡大表示]

 本来D2には「=SUM(B2:C2)」の数式が入るはずだった。ところが数式は自動的に「=SUM(テーブル1[@[東店]:[西店]])」となった。「テーブル1」や「東店」「西店」は、テーブルを作成した際に自動的に定義された「名前」だ。テーブルに数式を立てると、この名前が自動的に利用される。これを構造化参照と呼び、また、その数式を構造化参照数式という。

 構造化参照による数式の場合、集計列に数式を1つ入力することで、その列にある全セルに数式を展開できる。オートフィルが不要な点は、あの「スピル」機能とどこか似ている。

関連記事 Excelで話題の機能「スピル」、苦手な絶対参照ともこれでおさらば