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 顧客満足度調査では、満足度を5段階で評価してもらうことが多い。一般に満足度が高いほど大きな数字、満足度が低いほど小さな数字を用いる。今回はその一例として、評価の傾向をExcel関数で調べてみる。

最頻値と平均を算出する

 まず5段階評価前提に顧客満足度をアンケート調査し、その結果を一覧表にする。ただ、数字を羅列しただけでは、顧客満足度にどのような傾向があるのか分からない。

 傾向を捉える指標の1つに最頻値がある。これは最も頻出する値を取り出すものだ。ExcelではMODE.SNGL関数を利用する。この関数を用いて、各問でどの回答が最も多かったか特定しよう。

MODE.SNGL関数 統計関数

= MODE.SNGL(数値1、[数値2]、...)

 最も頻繁に出現する値(最頻値)を返す。

①数値1 最頻値算出の対象となる範囲を選ぶ。
②数値2 省略可能。同じく最頻値算出の対象となる範囲を選ぶ。
B12を選び、「=MO」と入力する。関数が一覧になるので「MODE.SNGL」を選ぶ。その後、B2:B11を選択し、最後に「)」(カッコ閉じ)を入力する。数式が「=MODE.SNGL(B2:B11)」になったら[Enter]キーを押す
B12を選び、「=MO」と入力する。関数が一覧になるので「MODE.SNGL」を選ぶ。その後、B2:B11を選択し、最後に「)」(カッコ閉じ)を入力する。数式が「=MODE.SNGL(B2:B11)」になったら[Enter]キーを押す
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最頻値が返った。この数式をD12までオートフィルする。これで各問の最頻値を取り出せた
最頻値が返った。この数式をD12までオートフィルする。これで各問の最頻値を取り出せた
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 結果を見ると、問2の最頻値が「5」になっており、問2に対する満足度が高いように見える。ただし、即断は禁物だ。次に各問の満足度の平均値を算出してみる。

B13を選んで「ホーム」タブの「オートサム」ボタンの三角マークをクリックして「平均」を選ぶ。すると自動的に数式は「=AVERAGE(B2:B12)」となる。範囲を「B2:B11」に書き換えて[Enter]キーを押す
B13を選んで「ホーム」タブの「オートサム」ボタンの三角マークをクリックして「平均」を選ぶ。すると自動的に数式は「=AVERAGE(B2:B12)」となる。範囲を「B2:B11」に書き換えて[Enter]キーを押す
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問1の平均を算出できた。この数式をD13までオートフィルする
問1の平均を算出できた。この数式をD13までオートフィルする
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 このように「平均値」を見ると問1と問3は「3.7」でまったく同じになった。四捨五入すると「4」で、「最頻値」と一致する。しかし問2は「3」になった。最頻値の「5」とは大きな開きがある。これは何を意味しているのだろう。