PR

 カーナビゲーションシステム、ETC(自動料金収受システム)車載器、ドライブレコーダーなど、これまでも自動車用の機器を製品化してきたパナソニック――。そんなパナソニックが次に狙うのが、2輪車・超小型車・軽自動車といった超小型の電気自動車(EV)向け電動プラットフォームである(図1)。

図1 超小型車向け電動プラットフォーム「ePowertrain」
図1 超小型車向け電動プラットフォーム「ePowertrain」
写真はIPU(Integrated Power Unit)。車載充電器、DC-DC変換器、インバーター、モーターを統合したもの。他に、モーターとインバーターを統合したMTU(Motor Unit)があり、IPUとMTUを必要数だけ組み合わせることで電動プラットフォームを構築できる。
[画像のクリックで拡大表示]

 ここでいう電動プラットフォームとは、EVを駆動するモーターやその駆動回路となるインバーター、家庭用の商用電源(交流)で直流48V電池を充電するための車載充電器、一部の車載機器に必要な直流14Vを48Vの電池からつくる直流-直流(DC-DC)変換器――から成るシステムのことだ。これらを標準のシステムとして供給することで、超小型EVの開発コストの低減や開発の効率化に貢献する。

 EVの開発は、ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)によるディーゼル車における排ガス不正問題が発覚した2015年秋以降、グローバルで加速している。電池の性能向上と低コスト化も進んできており、EVは未曽有の進化を遂げようとしている。そして、同時に期待されているのが、乗用車以外の2輪車・超小型車・軽自動車へのEV化の進展と、EV技術を用いた新たな形態の超小型車の誕生。パナソニックが電動プラットフォームの対象として狙うのは、そうした超小型EVである。

 同社が従来型の乗用EVではなく超小型EVを見据えるのは、同社の強みを生かせるからだ。例えば、既存EVの電池の総電圧は、日産自動車の「リーフ」が350V、三菱自動車の「i-MiEV」が330V、米GMの「Chevrolet Bolt EV」が360V(推定値)、米テスラ(Tesla)の「モデルS」が350~400V程度(推定値、電池の搭載量によって異なる)と300Vを超える。これに対して、車両質量の小さな超小型EVは、駆動に求められる出力が低く、より低い電圧で使える。同社オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社オートモーティブ開発本部統合ソリューション開発センター電動化ソリューション開発部部長の射延裕氏は「家庭の電源は100V、高くても240V。低い電圧の方が民生機器や産業機器で蓄積してきた技術を生かせる」と打ち明ける。

 これまで同社は、民生・産業機器の分野で培ってきた技術を生かしてEVなど電動車向けに車載用電池や車載充電器、フィルムキャパシター、DC-DC変換器、リレーなどのパワートレーン用の“デバイス”を提供してきた。超小型EV向けの電動プラットフォームがこれらと異なるのは、デバイスではなくシステムである点。同社は、電動車両の分野でも、システムサプライヤーへの道を歩もうとしている。