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経路のすべてを1000BASE-T対応に

 まず、有線LANが遅い場合はどうすればよいのか。

 まずはハブやLANポートなど、ネットワーク経路の状況を疑ってみよう。LANの通信速度は、通信経路上にある機器の対応規格に影響される。

 現行のPCやネットワーク機器は、多くが1Gbpsで通信可能な1000BASE-Tに対応している。しかし例えば、一世代前の100BASE-TXまでしか対応していない古いネットワーク機器を使い続けている場合、そのブロードバンドルーターに接続した機器間の通信帯域は、100Mbpsまでとなる。PCが1000BASE-Tに対応しているだけではダメなのだ。1Gbpsの帯域で通信するには、ブロードバンドルーターやPCはもちろん、通信経路を構成するハブやLANケーブルも1000BASE-Tに対応している必要がある。

 5~6年前までは、有線LANポートが100BASE-TXまでしか対応しないというブロードバンドルーターも数多く残っていた。またそうした対応規格が古いブロードバンドルーターを、インターネット接続用の標準機器として配布していたプロバイダーもあった。現状では、ほとんどのブロードバンドルーターで有線LANポートの1000BASE-T対応が進んでおり、その意味でも買い換えを推奨したい。

ハブやケーブルも1000BASE-T対応でなければならない。写真はアイ・オー・データ機器の1000BASE-T対応ハブ「ETG-ESH05Bシリーズ」
ハブやケーブルも1000BASE-T対応でなければならない。写真はアイ・オー・データ機器の1000BASE-T対応ハブ「ETG-ESH05Bシリーズ」
(出所:アイ・オー・データ機器)
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無線LANは最新規格への対応が重要

 無線LANの通信速度が遅い原因はいくつかある。最初に確認したいのは対応規格だ。ノートPCやタブレット、スマートフォンなどの現行モデルは、おおむねIEEE 802.11acに対応している。低価格モデルの一部では、一世代古いIEEE 802.11nまでしか対応していないものがあるが、少数派と言ってよい。

無線LANの規格と対応機器の登場時期を整理した
無線LANの規格と対応機器の登場時期を整理した
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 PCが古い無線LAN規格にしか対応していなければ当然遅いし、PCが新しい無線LAN規格に対応していても、ブロードバンドルーター側が古い無線LAN規格のままなら、古い無線LAN規格で接続されるためにやはり遅くなる。

 無線LANでは基本的に、後方互換性が保たれている。そのため最新のIEEE 802.11acに対応するノートPCでも、IEEE 802.11gまでしか対応しないブロードバンドルーターに接続することは可能だ。しかしその状態だと、IEEE 802.11gの速度でしか通信できない。古いブロードバンドルーターを買い換えないまま使い続けているなら、ここがボトルネックになる。最新の無線LAN規格に対応したブロードバンドルーターや、無線LANアクセスポイントに買い換えよう。

 逆にブロードバンドルーターは最新規格に対応するが、ノートPCの対応規格が古いということもある。その場合はUSB接続の小さな無線LAN子機を追加した上で内蔵の無線LAN機能を無効化し、無線LAN子機経由で無線LANアクセスポイントに接続するとよい。

ブロードバンドルーターは5年おきくらいで買い換えた方がよい。写真はバッファローのIEEE 802.11ac対応ブロードバンドルーター「WSR-2533DHP-CB」
ブロードバンドルーターは5年おきくらいで買い換えた方がよい。写真はバッファローのIEEE 802.11ac対応ブロードバンドルーター「WSR-2533DHP-CB」
(出所:バッファロー)
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 最近はスマートフォンやタブレット、ノートPCの普及により、どこの家庭にも無線LANアクセスポイントが置かれるようになった。こうなると、それぞれの家庭で利用する無線LANの電波が干渉し、速度が出にくくなることもある。

 広い企業内のスペースなら、無線LANの電波を計測するアナライザーを使って状況を確認し、干渉が起きにくい位置に無線LANアクセスポイントを設置し直すという手が使える。しかしマンションや集合住宅ではさすがにその作業はできないので、対応が難しいのが現実だ。

 比較的有効な対応策としては、対応機器が少ない5GHz帯を利用する、あるいはブロードバンドルーターの設定画面から通信に使うチャンネルを変更するといったものがある。またブロードバンドルーターの設置場所を変えたり、電波を遮りにくい高い場所に設置したりといった物理的な対策も、効果を発揮することがある。

ブロードバンルーターの設定画面で、自分が利用する電波の周波数帯を設定できる
ブロードバンルーターの設定画面で、自分が利用する電波の周波数帯を設定できる
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 ブロードバンドルーターは1階、利用するノートPCは3階など、物理的な障壁が多く距離も長い場合にも通信速度が低下することが多い。この場合は、無線LANの中継器を設置すると問題が解決することがある。ブロードバンドルーターの近くで接続するより遅くなりがちではあるが、試してみる価値はある。