データセンター並みの最大10Gビット/秒で通信できる10ギガビット・イーサネット(10GbE)。1万円台で購入できる安価なネットワークインタフェースカード(NIC)はあるものの、現在普及している比較的古めのカテゴリー5e(Cat.5e)ケーブルが使えないケースがある。
ただし、「マルチギガビット・イーサネット」対応の激安10ギガイーサと古いLANケーブルを組み合わせれば、速度が最大5倍に向上する。マルチギガビット・イーサネット対応の製品であれば、Cat.5eでも最大5Gビット/秒の速度を実現できるからだ。Cat.5eは通常、最大1Gビット/秒のギガビットイーサネットで広く使われている。
激安の部類の10GbEは、信号伝送にメタルケーブルを使う「10GBASE-T」規格に準拠しているものがほとんどだ。ケーブルは「カテゴリー6A(Cat.6A)」や「Cat.7」と呼ぶ高周波の伝送に向く仕様が推奨だが、NICによっては「マルチギガビット・イーサネット」や「NBASE-T」と呼ばれる1Gビット/秒超・10Gビット/秒未満の高速イーサネット仕様を利用できる。Cat.5eのイーサネットケーブルを壁内配線しているようなケーブルの置き換えが困難な環境や、ネットワーク機器の付属品で余ったCat.5eのケーブルを流用して費用を抑えたい場面で威力を発揮する。2016年9月にIEEE 802.3bz-2016規格で2.5GBASE-T、5GBASE-Tとして標準化されている。
例えば実売1万3000円の台湾エイスーステック・コンピュータ(ASUSTeK Computer)の低価格ネットワークインタフェースカード(NIC)「XG-C100C」は、マルチギガビットに対応している。10Gビット/秒以外にも、5Gビット/秒や2.5Gビット/秒のリンク速度をデバイスドライバで選択可能だ。
ネットワークスイッチでも、実売2万8000円前後で入手できる米ネットギア(Netgear)の「NETGEAR GS110MX-100JPS」や実売5万1000円前後の「NETGEAR XS505M-100AJS」などが対応済み。ポートのLEDの点灯パターンでリンク速度を確認できる。