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 光ファイバーのように事前にセンサーを設置しなくても、より手軽に鉄筋の腐食度合いを識別できる技術も登場している。

 コンクリート構造物の表面をスキャンするだけで、内部の鉄筋腐食の程度を判別する評価システムだ。物質・材料研究機構(NIMS)が開発している。

(イラスト:山田 タクヒロ)
(イラスト:山田 タクヒロ)
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腐食の進捗がそれぞれ異なる4つの鉄筋の上に、アクリル板と木を置いて鉄筋コンクリートを模擬し、その上からスキャンしている。装置は何東風主幹研究員による自作(写真:日経コンストラクション)
腐食の進捗がそれぞれ異なる4つの鉄筋の上に、アクリル板と木を置いて鉄筋コンクリートを模擬し、その上からスキャンしている。装置は何東風主幹研究員による自作(写真:日経コンストラクション)
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 「電磁波を当て、鉄筋からの磁気的な応答を測る仕組みだ」。研究に関わるNIMS構造材料研究拠点積層スマート材料グループの何東風(ヘドンフェン)主幹研究員はこう説明する。これまで電磁波を使って鉄筋の位置や直径を測る技術はあったものの、腐食の程度を測る技術は珍しい。