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IT業界への異業種転職で注意したいこと

 一方で、異業界で働きながらIT業界への転職を考える人は増えているようです。IT業界はテレワークへの取り組みが以前から進んでおり、コロナ禍でも働きやすいというイメージがあることなどが影響しているのでしょう。

 そんな方に気をつけていただきたいのが、「未経験者可」の求人です。「未経験」といっても、当該のプログラミング言語は未経験でもプログラミングスキル自体は必要、当該職種として働いたことはないがIT業界の知識や経験は持っていてほしい、などさまざまな意味があります。応募時には、「未経験」が何を意味するかしっかり確認したほうがよいでしょう。

 IT業界自体全くの未経験でも、内定が出るケースはあります。そんなときは、次の2つの可能性があることをよく理解したうえで入社を検討しましょう。

1.教育体制が整っていない
 受注したプロジェクトに必要な人数を確保するために、とにかく人を集めなければならないという会社ではこうしたケースがあり得ます。

 教育体制が整っておらず教えられる人がいない、または教える余裕がない状態が考えられます。未経験でこうしたIT企業に入社した場合は、自分から学ぶ意欲や、忙しそうにしている他人にどうにか時間をもらって教えを受ける能力が必要です。

 筆者は、教育体制が整っていなくても自ら学ぶ習慣があれば問題ないと考えています。これまで入社した企業のほとんどは大した教育体制がありませんでしたが、教育プログラムを押しつけられるよりも自分で勉強するほうが好きな筆者には好都合でした。

2.10年後も同じ仕事をする
 入社後に1週間ほどの研修を受け、一通りの定型業務ができるようになったとします。もしかしたらそれを10年後も続けることになる可能性があります。

 その会社が、顧客から定型業務を請け負うことを事業にしている場合です。業務の細かな内容は変わっても、顧客などの指示命令の下で定型業務を担うこと自体は変わらないかもしれません。

 この2点を読んで応募をためらう人がいるかもしれませんが、筆者は「未経験からのチャレンジであれば、その業界に入って働き始めることが先決」だと考えています。まずはIT業界で仕事を始め、その後スキルアップや昇給を果たすにはどうしたらよいかを2~3年計画で考えてみるのも1つの方法ではないでしょうか。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。アネックスのWebサイトはhttp://www.annexcorp.com/