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 転職先を考える際に何を重視するかは、人によって異なります。給与額が最も重要だという人は以前から多いのですが、最近は「長く働けること」や「自分が成長できること」を条件に挙げる人も増えていると感じます。

 「長く働けること」を重視する人は、安定性を求めていると考えられます。一方の「自分が成長できること」を重視する人は、次の転職も見据えてスキルアップできる環境を探しているといえそうです。

 2021年1月20日に学情が発表した「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査(20代女性が転職において重視する点)2021年1月版」では、長く働ける環境と成長できる環境のどちらを重視するかを尋ねています。結果は「長く働ける環境を重視する派」が58.6%で、半数を超えました。結婚や出産などのライフイベントを経験しても働き続けられる環境を求める声などがあったといいます。

 では、長く働ける会社とはどんな会社でしょうか。長期にわたって安定的に勤務できることは大きなメリットですが、実際に入社してみたら企業風土に合わずに退社してしまう人もいます。「その会社は、なぜ長く働けるのか」を入社前にきちんと分析することをお勧めします。

 長く安定的に働ける理由としては、例えば以下のようなものが考えられます。

  • 年功序列により出世競争がないのでゆったりしている
  • 保有する原料が世界のマーケットで寡占状況にあり、安定している
  • 経営者のつくる企業風土が穏やかである(中小企業に多い)
  • 経営危機でも何らかのセーフティーネットがある
  • オーナーの資産により会社が傾くと会社を支えてくれる

 サービス残業を強いられたり、ハラスメントまがいの指導が横行する企業で働いていたりした方には魅力でしょう。ただし、一度これらを別の視点から分析してみると、自分の望んだ企業風土ではないと気づくことがあります。

 例えば「年功序列で給料が上がる」は、裏を返せば頑張ってもなかなか評価されない可能性があります。能力がないにもかかわらず、自分よりも職位が上の年長社員がいることもあり得るのです。

 安定しているがゆえに、成長意欲が低い社員もいるかもしれません。周囲から刺激を受けて成長したい人には、物足りない可能性があります。

 筆者がお勧めしたいのは、「安定した会社に縁があった人こそ、その環境を自身の成長のためにフル活用する」ことです。仕事で成長の機会に乏しいなら、休みをうまく使いましょう。

 長く働ける企業なら、休暇はきちんと取れる場合が多いでしょう。週休2日であれば、その2日に何らかの目標を立てます。無理に仕事に関する目標にする必要はありません。趣味でよいので自分が取り組めそうな目標を立て、自らの成長を促しましょう。