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 大切なのは、達成感や充実感は目標があってこそ得られるということです。仕事でも趣味でも目標があればそれに向かって頑張れますし、やり遂げたときに充実感が得られます。筆者の知り合いでも定型的で安定した仕事に就いている人はプライベートの時間の使い方が上手な傾向がありますが、プライベートの充実が仕事の満足度アップにもつながっているのではないかと感じます。

 もちろん、自由な時間を使って仕事に役立つスキルを磨く手もあります。それが次の転職のきっかけになるかもしれません。

「教育・研修が充実している」はまず疑う

 仕事を通じたスキルアップについては、お伝えしておきたい注意点が1つあります。企業が用意する「教育・研修」の中身です。

 先ほど紹介した学情のアンケートで、「成長できそう」と思う企業の特徴として最も多くの回答者が選んだのは「教育・研修1ヵ月以上」(58.1%)でした。筆者は人材育成のプロとして企業向けコンサルティングや講義を手掛けていますが、転職者は「教育・研修の内容がどのようなものか」をよく確認すべきだと考えます。

 金融や製薬などの業界に転職する場合、その業界で働くための必須資格を取得する必要があります。その研修が充実しているのは当たり前です。

 もちろんその資格取得で満足できればよいのですが、「教育・研修」を重視する人には、基礎知識をさらに伸ばす応用的なトレーニングを望んでいるケースが多いでしょう。例えば論理的思考や交渉術などの研修です。こうした研修が含まれていない場合もありますので、事前に確認しましょう。

 研修は入社直後だけ、というケースも珍しくありません。新入社員研修と同様に中途社員にも入社時研修があるのですが、その後は一切ない企業もあります。

 転職時に教育・研修の充実度合いに着目した企業探しをするときは、まずその企業の人材育成体系(マップ)を確認しましょう。そして、いつどのような教育が実施されるのか確認したほうがよいでしょう。人材育成体系については、中途採用よりも新卒採用のWebページで説明されていることもあります。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。アネックスのWebサイトはhttp://www.annexcorp.com/