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 業績悪化によるリストラや早期退職者の募集が始まると、社内をさまざまなネガティブワードが駆け巡ります。「この会社の先が見えた」「残っても意味がない」「買収された先でどういう扱いを受けるか分からない」「泥船に乗って沈んでいくのは嫌だ」「優秀な人から辞めていく」などなど。よくそれだけいろんな話が出てくるなあ、と感じるほどいろいろな声を耳にします。

 今回は社員の目線で、こうしたネガティブワードの真偽について考えてみます。

残っても意味がない、では出たら何か得られるのか

 最初は「こんな会社に残っても意味がない」です。業績悪化時、すべてのネガティブワードを包含するのがこの言葉です。

 早期退職者の募集が始まると、この言葉に信ぴょう性を感じてしまいがちです。仲の良かった同期が次から次へと募集に手を挙げる中で、在職を決意するのはなかなか難しいことです。

 また早期退職制度の運用時は退職日が一律に決まっているケースも多く、月末などに一斉に何十人も退職することになります。それも不安をあおります。「やはりこんな会社に残るのは意味がない」と思ってしまうのです。

 しかし、本当にそうでしょうか。会社に残ってさえいれば、会社員としての立場は保てます。日々の仕事に給与、社会保険、社宅の場合は住居などが得られます。退職後に次の仕事、つまり収入源が決まっていないのであれば、メリットだらけです。

 ですから筆者としては、焦って行動を起こさないことをお勧めしています。「残っても意味がない」が本当だったとして、では辞めれば何かが得られるかというと、そうとは限らないのです。

 早期退職制度や事業譲渡は機密保持などの理由から、多くの場合、日程が差し迫ったタイミングで発表されます。早期退職制度の運用開始が1度目なら、まずはスルーするのが1つの方法でしょう。2度目、3度目があるようなら、それに向けて準備を進めます。グループ会社を含めた異動や職種のキャリアチェンジを探ったり、転職活動を始めたりといった準備です。

 とにかく重要なのは、冷静さです。40~50代になって、早期退職や事業譲渡など未経験の状況に直面するわけですから、動揺するのは仕方ありません。しかし、落ち着くよう努めましょう。過去に同様の経験をしている友人知人に連絡して、ノウハウや心構えを聞いてみるのもよいでしょう。こうした過程を経て、早期退職制度に本当に応募するかを考えたほうがよいと思います。