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 転職する際、多くの技術者は人材エージェントを利用します。企業の紹介から履歴書や職務経歴書の書き方のアドバイス、待遇面の交渉まで、エージェントがサポートしてくれます。転職活動中は、エージェントとはかなり密度の濃いやり取りをすることになります。

 そして、いざ転職が決まれば、人材エージェントとの関係は終わり。そう考えている人は少なくないでしょう。しかし実際には、転職後もエージェントと交流を持ち続ける技術者がいます。

 それはなぜなのか、現在メーカーで部長をしているサトウさん(仮名・50代)の例を見てみましょう。サトウさんは、小規模な人材エージェントのモリさん(仮名)と20年以上付き合っています。サトウさんは30歳で1度目の転職をした際に、モリさんのお世話になりました。

 それ以降も2度転職したサトウさんですが、いずれもモリさんとは別の人材エージェントの仲介でした。しかし今でも定期的にモリさんに会って、自分の状況を伝えています。

 サトウさんにとっては、モリさんと緩くつながりを持っておくことは、安定して働くための保証のようなものです。モリさんに会うことで、自分の市場価値がどのくらいか、自分のスキルや経験が今どんな業界で求められているのかなどの情報が入手できます。自分が所属している業界の動きも分かり、今後のキャリアのために自分が何をしておくべきかのヒントが得られます。

 勤務先の状況が変わって居づらくなってきた、業績悪化で人員削減が始まったなど転職活動を始めることになったときも、まずはモリさんを頼ることができます。モリさんには定期的に近況を伝えているので、自分に合いそうな会社の紹介など、迅速に適切な対応をしてもらいやすいのです。

人材エージェントにもメリットがある

 人材エージェントにとっても、サトウさんのような人とつながりを保っておくことにはメリットがあります。特に、モリさんのように小規模な人材エージェントにはそれが言えます。

 モリさんはサトウさんを「すぐに転職する金の卵」と見ているわけではありません。むしろサトウさんが頻繁に転職するようでは、クライアント企業からも「すぐに辞める社員を紹介するエージェント」という烙印(らくいん)を押されてしまいます。