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 早期退職制度と言えば、業績が悪化している企業が実施する、ベテラン社員向けの施策というイメージが強いでしょう。しかしこのところの企業の動向を見ていると、その常識は変わってきたように思います。今後は、勤務先や年齢にかかわらず、会社員なら誰もが意識せざるを得ない制度になる可能性があります。

 まず業績について、東京商工リサーチが2020年1月15日に発表したデータを見てみましょう。同社の発表によると、2019年1~12月に早期・希望退職者を募集した上場企業は延べ36社で、対象人数は1万1351人。この社数や人数は、過去5年間で最多といいます。

 興味深いのは、業績が悪化しているわけではない企業が早期・希望退職者を募集するケースが目立つことです。2020年以降に募集実施を発表した9社のうち、直近の決算で最終赤字や減収減益だったのはそれぞれ1社ずつのみ。それ以外の7社は、業績が堅調にもかかわらず退職者を募集しているわけです。

 つまり今は黒字の企業でも、将来を踏まえて人員の整理をする仕組みが出来上がりつつあるということです。今後、それが当たり前になるかもしれません。

 対象者の年齢も下がっています。例として、2020年2月19日のファミリーマートの発表に注目してみましょう。同社の「早期退職優遇制度」の対象者は、2020年2月29日現在で40歳以上の社員です。対象年齢は「50~55歳」が一般的でしたが、かなり低年齢化しています。この制度で、2020年3月31日付けで正社員924人を含む1025人が退職するそうです。