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 「転職を考え始めたら、現在の会社で働きながら転職活動をすべきか、まずは退職すべきか。どちらが良いのか」。そう質問されることがよくありますが、どちらにもメリットとデメリットがあります。

 まず、働きながら転職活動をする場合。そのメリットは、転職先について落ち着いて考えられることです。収入がありますし、社員なら社会保険なども継続しているので、活動中に不測の事態があっても慌てずに済みます。現職よりも働きやすそうか、条件は良いかといったことを、冷静に比べられます。

 生の情報を得やすいのも大きな利点です。仕事をしていれば、同僚や取引先と日々関わりを持ちます。それを通じて、業界の動きや他社の状況、処遇などの情報に触れられます。特に同業他社への転職を考えている場合は、働きながら得られる情報が非常に価値あるものとなるでしょう。

 逆に、時間の確保は当然ながら大変です。今の仕事をこなしながら、応募書類を作成したり面接に行ったりする時間を捻出しなければなりません。もちろん苦労は多いのですが、終業後や休日をうまく使えば対処できるでしょう。「面接に行くために、今の仕事を頻繁に休まなくてはならないのか」といった心配をする人もいますが、終業後の面接を希望すれば多くの会社が対応してくれます。

 筆者としては、転職活動が初めての人には、今の職場で働きながら活動することをお勧めします。応募から面接、内定といった転職活動をひと通り経験することで、「現職の良さに初めて気づく」ということも珍しくありません。その結果、転職する必要性を感じなくなったという人も、過去の相談者には一定数いました。

「少しゆっくりしてから」は要注意

 一方で、相談者には「まず退職してから転職活動をしたい」という人もいます。例えば、「気持ちを真っ白にしてから次を考えたい」という人。職場が忙しすぎて、「次を考える前にとにかく休暇を取りたい、休みたい」という人もいました。こうした人にとっては、退職によっていったん空白期間を設け、今後をじっくり考えられるメリットがあります。