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まずは現職で昇格する

 では、このようにサーチされる人材になるためには、何が必要なのでしょうか。筆者がまずお勧めしているのは、「とにかく現職で昇格する」ことです。サーチ対象となるのは事業部長クラスなど一定以上の役職です。サーチファームの目に留まるには、役職はとても重要なのです。

 昇格の重要性はサーチだけでなく、通常の転職でも当てはまります。課長になってから転職を考えるのと、主任クラスで転職した後に課長に挑戦するのとでは、難易度は大きく異なります。転職時に少しでも良い条件提示をしてもらうためにも、課長になりやすい環境で課長になっておくことが大切です。

 必ずしも中身が伴っていない役職でもよいのです。筆者は、付き合いがある大手企業の20代の若手社員から「うちは残業だらけで、すぐ人が辞めてしまう。給料は良いけれど、課長といっても名ばかり」「30歳すぎで部長なんて、本当にいいのか」といった愚痴をよく聞かされます。

 その企業は急成長中で若手が多く、30~35歳で部長職、課長職なら早ければ27歳程度で就けます。新しい部課が次々にできて、部長や課長のポジションも新設され、結果として若い社員が役職に就けるチャンスが広がっています。社員の多くは、「生き残ってさえいれば、それほど頑張らなくてもポジションはもらえる」と、役職に就くことを特別視していません。

 筆者はその会社の社員に、「それなら取りあえず残って、役職を上げた方がよい」と伝えています。実際に取り組んでいる仕事がどんなものであれ、部長は部長、課長は課長です。その役職でなければ任されない業務、責任が取れない業務は確実にあります。ですから、まずは肩書を獲得すべく仕事に取り組むのも1つの方法でしょう。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。