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 「私の感覚だと、転職市場の状況はあまり変わらない。今だからこそ良い人材を確保しようと積極採用する企業もある」――。この連載にたびたび登場する人材エージェント、モリさん(仮名)の言葉です。新型コロナウイルス感染拡大の影響について尋ねた筆者に、こう教えてくれました。

 モリさんは、ITとコンサルティングの領域に強い人材エージェントです。モリさんによれば、転職市場は今のところそれほど影響を受けていないとのこと。面接が全てオンラインになっているなどの変化はあるそうですが、企業の採用意欲は継続しているという実感があるようです。

 人手不足を背景に、国内の転職市場は新型コロナ禍の直前まで盛り上がっていました。それがまだ衰えていないと考えれば理解もできますが、現在の深刻な経済危機を思うと「本当なのか」と疑わしく思えてしまいます。

ベンチャーや中小は好機と捉えている

 そんな中、エン・ジャパンが3月24日に「新型コロナウイルス感染拡大による中途採用への影響 実態調査」の結果を発表しました。それによれば、転職コンサルタントの85%が「新型コロナウイルスが流行する中、半数以上の企業が採用を継続している」と回答したそうです。モリさんと同じように感じている人材エージェントは多いようです。

 同調査によれば、「現状を好機と捉えている企業がある」と回答した転職コンサルタントも37%に上ったそうです。これも、モリさんの発言と重なります。業種で言えば「ベンチャー・中堅中小企業」、職種は「技術系(IT・Web・通信)」「営業系」などが積極的に採用しているそうです。