全1672文字

 社外には公開されませんが、社内報も無視できません。サーチよりも、通常の転職活動時に有力な材料になります。転職活動時に提出する履歴書や職務経歴書はあくまでも本人が記入するものなので、採用側にとっては内容の真偽が確認できません。社内報に掲載された社員表彰などの情報は、内部向けとはいえ企業の公式な認定を受けたことの証明になります。採用側からすれば、信頼できる実績になるのです。

 採用ページも社内報も、最近は紙ではなくWebのみにしている企業も増えています。いつ消えてしまうか分からないので、自分が掲載されているものはしっかり記録、保存しておくことが必要です。

学問、学術分野を働きながら極める

 最後は、学術分野で実績を残すことです。技術者ならば、大学や大学院の教授との協業(コラボレーション)も珍しくありません。こうした機会があれば、積極的にチャレンジしてみるとよいでしょう。

 民間企業で得た知識や経験を基に、学術領域で教授やその研究室と共同研究して何らかの成果を上げる。それを社内だけでなく、学術分野で発表する。これは、その分野で名を上げるために有益な取り組みの1つです。

 私の知人のヤマキさん(仮名)は、上場企業に勤めながら大学院を3校卒業し、厳しい仕事をこなしながらも論文を20年間毎年書いたという強者です。ここまでいくと、もはや会社員としてのサーチ対象になるだけでなく、「企業経験がある教授候補」としてもサーチされる存在になりました。実際にヤマキさんは現在、大学の正規教員として働いています。

 ただ、大学などの教育機関と協業する際には、自分の自己利益だけですり寄るのはお勧めできません。ただでさえ、「〇〇大学と共同研究」「〇〇教授のお墨付き」など、大学を自己利益のために使おうとする企業や人はたくさんいます。教育機関はそれを警戒し、神経を使っています。言うまでもないことですが、大学にとっても意義のある協業である必要があります。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。