全2074文字

 筆者の場合は、荷物を全てまとめて席を立った後に元の席には戻りにくいため、そのまま店を変えることにしています。2時間に1度くらいの頻度で新しいカフェに移るため、それなりにお金がかかります。ランチタイムの混雑時に食事をしながら2時間PCのキーボードをたたくのはかなりのずぶとさが必要なので、さらに短時間で移動することもあります。

 テレワーク用の機材を買いそろえるコストも無視できません。筆者は4月に家電量販店を回ってみましたが、モニターやヘッドセット、プリンターなどが軒並み売り切れでした。テレワーク環境を整えるために多くの人が購入したためでしょう。購入費を勤務先が補助してくれればよいのですが、そうでなければ自腹を切ることになります。

上司が慣れていないと面倒

 テレワークを始めたばかりの企業では、管理職のスキルも課題になります。管理職にとっても、テレワークは初めての体験。どのように部下に指示をし、進捗を管理すべきかが分かりません。

 まったく連絡がなく部下を放置する上司もいれば、細かすぎるほどの管理をしようとする上司もいます。自宅にいるため、プライベートな自分の姿をことさらアピールしようとする上司もいるようです。

 会社がテレワークを推奨していても、上司によっては「出社してなんぼ」という気持ちを捨てられないケースもあります。上司からは出社を求めるプレッシャーをかけられ、テレワークをせよという会社の指示との間で部下が板挟みになる状況も多くありました。

 “上司スルー”ができれば乗り切れますが、そうでない部下は苦労します。

 テレワークへの取り組みは、新型コロナウイルス感染拡大の前からさまざまな会社で実施されてきました。しかし、取り組みの結果テレワークを中止した例も少なからずあります。比較的テレワークを導入しやすいIT業界でも、あえて導入を見送ってきた企業もあります。つまり、テレワークにはメリットもあればデメリットもあるということです。

 テレワークが可能な会社に転職したいと考えるなら、まずはそのことをきちんと理解しておくことをお勧めします。その上で、実際にどのようなテレワークの制度があるかを調べて転職先を探してみてはいかがでしょうか。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。