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 こうした取り組みには、外資系企業の方が力を入れているようです。エンワールド・ジャパンが2021年4月15日に発表した「中途入社者のオンボーディング実態調査」の結果によると、中途社員のオンボーディングに「力を入れている」と回答した外資系企業は71%だったのに対し、日系企業では51%でした。

 一般的に、日系企業は新卒の若手教育には教育機会や予算を充てますが、職位が上がるほど減っていく傾向があります。役職者は、成長のための教育機会や環境は自らで作り上げることが求められてきたといえるでしょう。

 しかし本来は、職位が上がるほど難しい課題に直面し、それを解決する高い能力が求められます。つまり、学びが必要なはずです。外資系は、職位が上がれば上がるほど教育予算や機会を提供する傾向があると感じます。

オンボーディングを活用して成果を出す

 なお、オンボーディングが十分に整備されている企業に入社できても、安心してはいけません。新卒ならともかく、中途社員に対する研修の目的は「今までの経験を早く発揮してもらうこと」です。ですから積極的にオンボーディングを活用して、いち早く戦力になることが重要です。

 コロナ禍で、入社後すぐにテレワークが続くこともあるでしょう。オンボーディングに力を入れてきた企業でも、オンラインのオンボーディングはまだきちんと整備できていないケースもあると思います。

 それに不満や不安を抱くのではなく、オンボーディングの機会があること自体をチャンスだと捉え、既存社員とのコミュニケーションを図ってみましょう。オンライン版オンボーディングの取り組みについて新たな提案をするほどの積極性を持って取り組んでみてはいかがでしょうか。

天笠 淳
アネックス代表取締役/人事コンサルタント
天笠 淳 早稲田大学商学部卒業後、IT企業、金融機関にて人事業務を経験。株式会社アネックス、一般社団法人次世代人材育成機構の代表として、働きやすい職場づくりを主なテーマとし、企業の人事、人材開発のコンサルタントを行っている。次世代人材育成機構では、代表理事として、学生の就職活動へのアドバイスや、社会人のキャリア支援を20年以上手掛けている。著書に『転職エバンジェリストの技術系成功メソッド』『オンライン講座を頼まれた時に読む本』(いずれも日経BP発行)がある。アネックスのWebサイトはhttp://www.annexcorp.com/