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 筆者は年間を通して、ボランティアでキャリア相談に乗っています。現在の職場に不満や悩みを抱えている人に「どうして転職しないのか」と問いかけると、「転職は怖いから」という回答が返ってくることが多くあります。

 長年勤めた職場を離れて新しい環境に身を置くのは怖い。その気持ちは分かります。しかしそれで尻込みしていては、ずっと転職できません。

 現実には、自発的に転職するよりも怖い状況に置かれる可能性があります。いやでも転職せざるを得ない状況に追い込まれたとき、つまり退職勧奨を受けたときです。

 2008年に起こったリーマン・ショック時、退職勧奨に遭った人もいるかもしれません。思い出したくもない経験でしょう。あれから10年たって、「早期退職制度」「退職勧奨」といった言葉を聞く機会は減るどころか、増えているような気もします。

映画で退職勧奨を疑似体験

 実際に退職勧奨されると、多くの人は相当なショックを受けます。その気持ちを疑似体験できる映画があります。ジョージ・クルーニー主演の「マイレージ、マイライフ」です。

 ジョージ・クルーニーが扮(ふん)するのは、いわば退職勧奨エージェント。様々なクライアント企業に出向き、経営陣の代わりに解雇を通告します。

 映画では、冒頭から解雇を言い渡すシーンが出てきます。注目していただきたいのは、解雇通告された社員の反応です。もちろん映画なので演出は施されていますが、社員の動揺がかなりリアルに表現されています。

 「次の仕事が見つからない」「収入が途絶えてどう生活しろというのか」「いったいなぜ私がこんな目に」……といったシーンが、数分続きます。これらのシーンだけで、自分の万が一の状態を想像するには十分でしょう。