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 その点、フランチャイズの場合は本部からさまざまな支援が受けられます。未経験者にはもってこいといえます。ブランドもある程度確立しているため、取引先や顧客などから信用も得やすくなります。

 一方で、過去にその業界で働いた経験がある、その分野の技術を習得している人にはフランチャイズが合わない場合も多いようです。フランチャイズに加盟すると、業務の進め方を本部が細かく指導します。経験や技術がある人にとっては、自分のやり方以外の方法で教えを受けること自体が苦痛になってしまうことがあるのです。

 自分の方法と違う、不合理で非効率な方法を押しつけられていると感じてしまうと、反発を覚える人がいるようです。特に「これなら自分でやった方が技術的に正しい」と思ってしまうと、フランチャイズ料を支払うことに意味を見いだせなくなります。

 ですから、自分の経験を生かせそうなフランチャイズこそ、慎重に検討した方がよさそうです。これはフランチャイズに限らず、中途採用にも当てはまることです。過去のやり方に固執してしまう人を避けるため、「未経験者のみ」とあえて対象者を絞って中途社員を募集するケースも少なくありません。

フランチャイズ経営は長期戦略で

 筆者は、フランチャイズ加盟の否定派ではありません。むしろ、起業の方法としては着実だと考えています。優れたノウハウを教えてもらえることに加え、ブランド力も利用できるからです。

 ただし、加盟に当たっては入念な調査や準備が必要です。例えば本部や事業経営について指導や援助をしてくれますが、それに対して研修費用などが発生するケースもあります。商標やブランド使用についても、加盟金やロイヤルティーの支払いが求められます。こうした条件をきちんと調査し、検討すべきです。

 さらに、フランチャイズ経営で成功するなら長期戦略が必要だと考えています。例として、フランチャイズの代表例であるコンビニエンスストア経営を手掛ける玉村さん(仮名)の例を見てみましょう。

 玉村さんは、務めていた会社を早期退職してコンビニ経営を始めました。その際に時間をかけて調査やシミュレーションを実施し、「とにかく1店舗で終わってはいけない。経営を安定させるには3店舗まで増やす必要がある」と感じたそうです。そしてひとかどの経営者になるなら、人口25万人の区内で5店舗経営できるようになろうと心に決めました。