技術力が高く、プロジェクト経験も豊富。そんな優秀な技術者が、転職時の採用選考で立て続けに不合格になる。筆者は、こうしたケースをこれまでに多数目にしてきました。

 優秀な技術者は、能力が高いゆえに様々なプロジェクトに参加し、成果を出しています。採用側に自分の強みを分かってもらうには、過去の実績を1つでも多くアピールした方がよい。そう考えて、職務経歴書に全てを盛り込んでしまいがちです。実はそれが、失敗の原因なのです。

 読み手にとっては、アピール項目が多すぎると、その人の特長を読み解くのが難しくなります。プロジェクト経験の多さも、強みになるどころか「これといった専門分野が無い」という印象を与えてしまうことが少なくありません。

 面接でも、職務経歴書に書き連ねたアピール項目の一つひとつを説明しようとして、限られた時間を浪費してしまいます。その結果、自分の強みを相手に印象づけられずに終わってしまうのです。

 もちろん「技術にこだわりが無く、無難に業務を進められる社員を採用したい」という企業なら、評価されるかもしれません。しかし技術者の求人の多くは、対象とする業務内容がはっきりと決まっていて、それをこなせる専門性の高さや経験を求めています。「何でも屋」に見える職務経歴書は、不利に働きかねません。いくら自分にとって大事な実績でも、応募先の企業のニーズに合わないものは、思い切って削ることも必要です。

採用側が選びやすい自己PRを

 職務経歴書を作成する際に重要になるのは、企業がどんな人材を求めているかを理解し、それに合った自己PRをすることです。言い方を変えれば、「採用側が選考しやすい自己PRをする」ことがポイントです。

 参考になるのは、求人の募集要項です。さらに、その企業の採用サイトや、人材紹介会社のコンサルタントなどからも情報を集めます。そして、どこに焦点を当てて自己PRをするかを検討します。

 その上で、職務経歴書に記載する内容を決めます。このとき、項目ごとに書き方に強弱をつけることが大切です。